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日本プロゴルフ選手権大会 2001
「もう、こっちがドキドキしてしまって…」
最終日、海の向こうの母・グレースさんのかわりにディーンのプレーを見守ったのが、沖広さん一家だ。
グレースさんは、日本名をオキヒロヒロコといい、その昔、祖母のシズエさんが、ここ福岡からハワイに移り住んだ。
ヒロコさんは、米国人のドンさんと結婚して、ディーンのほかに3人の子を授かったが、もともとのルーツは日本。ディーンも、ヒロシなる日本名を持っている。
そのディーンと、沖広さん一家が、実は互いに遠い親戚にあたると知ったのは、昨年のアイフルカップでの初V直後。
ハワイのグレースさんから、沖広さん一家に国際電話が入って、それとわかった。
以来、沖宏さん一家が住む山口の岩国近辺で、試合があるたびに応援にかけつけるようになった。
「もう、今日は途中から僕らのほうがドキドキしてしまって…」と話すのは、沖宏敏行さん。
前日の決勝1日目からついて歩き、8打差からのスタートだったこの日は、「ディーンの友達の(クリスチャン)ペーニャ選手や、(ジェリー)ノーキスト選手に『大丈夫だから』なんて、肩をたたかれたりして(笑)。大差があるからと思っても、実際に勝つまでは安心できないもんですね。今は、本当にほっとしています」と、胸をなでおろしていた。
妻の公子さんも、敏行さん、娘の亜紀さんとともにディーンの18ホールを見守って、「優勝スピーチでは、私たちの前で勝てて嬉しかった、なんて言ってくれて…。ディーンは本当にやさしい子。ハワイのお母さんに良い報告ができますね」と感激していた。