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JCBクラシック仙台 2001
「分けてあげないよ!!」
菅谷拓が、予選ラウンド50万円、決勝ラウンドでは100万円のかかった17番パー3で、ホールインワン賞を獲得だ。
133ヤード、ピッチングウェッジで打ったショットは、カップ手前2バウンドでカップイン。
ボールの行方を見届けるや、雄たけびをあげてキャディとハイタッチ。
同じ組の米倉健太郎ときつく抱きあって、「試合では初めて」という快挙達成に喜んだ。
記念のボールは、ターンの10番ティで観戦中の斉藤春夫さん(=写真右、64歳仙台市)に気前良くプレゼント。
「ウィニングボールならまだしも、ホールインワンのボールは、自分で持っていても、そのうち無くしちゃうと思って。それなら、この雨の中、わざわざ見に来てくださった方にあげたほうが喜んでもらえるでしょう?」と、心やさしい一面を見せる。
だが、もし、予選ラウンド終了までに、同ホールで達成者が出れば、賞金は人数分で均等割りと定められている・・・。この話題に及ぶと、とたんに駄々をこね、「誰にも、分けてあげないよ!! 全部、僕が貯金するんだから!(笑)」。
金曜日の夕方まで、菅谷は落ち着かない時間を過ごすことになる。
一方、記念のボールをもらった斉藤さんは、「菅谷選手を見に、また土曜日コースに来たい」と大感激。
9年前、ご病気で倒れられ、車椅子生活になるまでは「ハンデ25、ヘタの横好きでした」というゴルフも、いまは、もっぱらテレビ観戦だけの楽しみだった。
それが昨年、ボランティアの方々の協力を得て、会場に、初めて足を運ばれてからというもの、すっかり、コースでの生観戦にはまってしまったそうで、今年は2度目のご来場。
「去年は、高橋勝成選手に手袋をいただきました。今年は、菅谷選手から、こんなすばらしい記念のボール・・・。雨で不便だったけど、今年も来て、ほんとうによかったです」と大切そうにエースボールを握り締めていた。