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東建ホームメイトカップ 2005

川原希「頑張らないといけないことが、今年はいっぱいあるんです」

毎年、開幕戦は苦手だった。3月とはいえ前日のように、雪が降ることも珍しくないこの時期。「寒さに弱い」という川原はいつも出遅れ気味だった。
雪こそなかったものの、この日3日目も前日に引き続き、凍えるような寒さ。
「いつもならすぐに体がこわばって、手先の感覚もなくなってしまっていたんです。ほんっと、僕は寒さに弱くて…」。
それが、17番でチップインイーグルを奪うなど、67でまわって通算5アンダー首位で決勝ラウンドに進出。

「開幕からここまで来るのは、いままでになかったですよ!」。
オフの効果が、さっそく出たようだ。

今年は、秋山武雄トレーナーについて、“減量トレーニング”に励んだ。
身長183センチに対して80キロをゆうに超える体重に、「太りすぎだよ」と指摘され、決意した。

毎日1時間半連続の自転車こぎなど、有酸素運動中心のトレーニングに加え、断酒も決行。
この3ヶ月間は、1月の知人の送別会のときにカンビール一本を、口にしただけだ。
努力の甲斐あって、6キロ減。体脂肪率も26%から17%前後まで落ちて、体のキレがぐんと良くなった。
そのせいか、寒さにも強い体が出来上がったようで、厳寒のこの日は特にアプローチが冴え渡り、次々とピンに絡めてチャンスを奪った。

「今年は、もっと上位争いをしてお金を稼ぎたい」と、貪欲だ。
このオフ、バルコニーつきの4KDKを購入。加えて、妻・和子さんのお腹の中には、2人目の赤ちゃんがいる。
「父親として、頑張らないといけないことが一杯できたからね」。
大黒柱としての自覚が、開幕ダッシュにつながった。

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