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ダンロップフェニックストーナメント 2003

大会2度目の美酒に酔う間もなく、トーマス・ビヨンは、さらにその先を見つめつづける

「明日からまた、勝つための生活が始まる」
大会2度目の美酒に酔う間もなく、トーマス・ビヨンは、さらにその先を見つめつづける

99年に続き、再びガルシアを退けて勝ったビヨン。ホールアウト後は、9歳年下のライバルの肩をしっ かりと抱いて、こう繰り返した。

「お互いにタフな1日だったけど、今日、良かったと思える部分だけを覚えておいて、これからも頑張 ろうよ!」。 “負けた勝負から、学ぶものは少ない”が持論だ。今年7月の全英オープンでは、最終ホールで敗れて2 位。そのほかにも今年2位が3度あるが、「負けたゲームより、優勝によって学ぶことのほうが多い」とビヨンは言う。

「今年は僕自身、ずっと勝てない日が続いてつらいこともあったけど、僕らはいつだって、勝つために 試合に出ている。優勝という結果が出て、初めて自信がついて、また頑張ろうって思えるものだと思う んだ」。

ガルシアもまた、今シーズンは勝てない時期が続いていた。今回も最終日、3打差首位からの逆転負け に苦しい胸のうちは痛いほど理解できたが、「誰だって、・・・あのタイガーにだって、うまくいかない ときがある。ガルシアにはこれにめげずさらに調整を続けて、乗り越えて欲しいんだ」と、同じ戦う仲 間としての気遣いを見せた。

休む間もなく、1週間後のオメガ香港オープンから欧州ツアーが開幕する。来シーズンからは、米ツア ーにも本格参戦を果たす。

「今日はとりあえず、親しい仲間と優勝のパーティをする予定だけど、来週はコーチのいるドバイに飛んで、調整に励む。明日からまた、“勝つための生活”が始まるんだ」。大会2度目の美酒に酔いしれることなく、その鋭い眼光でさらにその先を見つめ続けるビヨン。このフェニックスでの栄光を糧にして、来年2004年かまたはそう遠くない日、4大メジャーのいずれか で“トーマス・ビヨン”の名が刻まれそうな予感だ。

写真下=大会に協力くださったボランティアのみなさんと、大会会長のマイケル・F ・グレニー氏と。「素晴らしい舞台を提供くださったフェニックスリゾートのみなさん、これまで5年間、ずっと僕をサポートし続けてくださった住友ゴム工業のみなさん、日本だけでなく、海外にも僕らの映像を流してくださった毎日放送のみなさん。みなさんの力がなかったら、僕らはこうしてよいプレーをする甲斐もありません。ほんとうにありがとうございます。そして、陰ながら大会を支えてくださったボランティアのみなさん、今日こんなにもたくさん会場に駆けつけてくださったギャラリーのみなさん、このトーナメントが素晴らしいのは、すべてみなさんのおかげだと思います。ほんとうにありがとう!」(トーマス・ビヨン)

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