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アジアパシフィックオープンゴルフ選手権競技キリンオープン 2000

昨年度・チャンピオン、崔京周(チェ・キョンジュ)の戦いぶり

2位に3打差で、最終日をスタートした崔京周は、「出だしは守りのゴルフに徹しようとした」という。
だが、バックナインの14番。474ヤードと距離の長いミドルホールをボギーとし、さらに、崔のひとつ前の組で回る、インドのジーブ・ミルカ・シンが15番でバーディを奪って崔に1打差まで詰めった時点で、当初の作戦は、変更を余儀なくされた。

「攻撃的に行かなくては」(崔)。

崔がそう決めた思った瞬間、それまで安定していた崔のゴルフに、微妙な変化が起きた。
「気持ちを切り替えた途端に、スイングのテンポが速くなりました。どうにも、コントロールできなくなってしまったんです」(崔)

追い詰められた動揺は、初日22パット、2日目25パット、最終日28パットという、得意のパッティングに大きく影響は与えなかったものの、ショットに如実にあらわれていた。
17番ショートホールでは第1打でグリーンを捕らえられずボギー。通算9アンダーで2 位のシンと並ばれた。最終18番も、第2打が乗らず、左のサブグリーンへ。
これも、寄せきれずピンまで2メートルほど残してしまった。はずせば、逆転負けという場面。

「これをはずせば、これまで自分がやってきたことすべて無駄になる」(チョイ)。

気持ちを込めて打ったボールは、カップに沈んだ。
勝負はプレーオフへ。
その1ホール目(18番)をボギーとしたシンに対し、チョイはきっちりパーセーブで対抗し、日本ツアー初勝利を飾ったのだった。

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