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東建ホームメイトカップ 2008

宮本勝昌「神様がどちらも頑張れ、と」

選手会長は表彰式が終わるなり、大会役員の皆さんに歩み寄って深々とあいさつを
選手会長が在任中にツアー優勝を挙げるのは、倉本昌弘と2001年の片山晋呉以来7年ぶりだ。会長職はゴルフ以外の雑務に追われ、本業に集中しにくいとされてきた。

特に、男子ゴルフの低迷が囁かれはじめてからその傾向は顕著となり、横田真一は就任2年目の2006年にシード落ちを喫した。
本人は「絶対にそのせいではない」と強調したが、横田の献身ぶりを知っている関係者の間では、同情の声も多かった。

今年1月5日の選手理事会で、互選によりその任を受けた宮本も、内心「大変なことになったと思った」と、振り返る。
「本当に、やっていけるのか…」。

そんな不安を払拭してくれたのが、他の選手仲間たちだ。
横田や昨年の深堀圭一郎・前選手会長をはじめ、谷原秀人や近藤智弘ら副会長がサポートを約束し、奔走してくれた。
「みんなには、本当に感謝している」と宮本はしみじみという。

そして、何よりの支えが家族の存在。就任してすぐ、朋美夫人が言ってくれた。
「家は私がしっかりと守るから。安心してゴルフに集中して」。
その言葉に支えられ、二足のわらじを履く覚悟ができた。

このオフ、配った名刺は300枚。慣れないスーツを着て各企業を飛び回った。会議のたびに、地元・御殿場と東京を往復した。
時間が削られる分、中身の濃い練習を心がけた。
「今まで以上に1打1打を大切に打った。おかげで例年以上に充実したオフが過ごせた」。

開幕に向けて、ゴルフにも日に日に手ごたえを感じつつ、時間をやりくりして家族サービスも怠らなかった。
夫の朗報を自宅で受けた朋美さんは、「忙しい中でもドライブに連れていってくれたり、翔太郎(長男・2歳)の相手までしてくれたんです。今年は、彼に改めて感謝と尊敬のオフシーズンだったんです」と、胸を押さえた。

「そんな彼を、きっと神様が見ていてくれたんだと思います」と言った妻の祝福の言葉は、奇しくも本人の喜びの声とリンクした。
「今年、こうしていきなり最高のスタートが切れたのはゴルフと選手会長、どちらも両立して頑張っていきなさいと、神様が言ってくれてるんだと思う」。

選手会長の在任中に、賞金王に輝いた選手はまだいない。
このデータに宮本が、目を輝かす。
「ぜひ最後までやりたいですね、賞金王争いを…!」。
開幕戦でのツアー通算7勝目にますます自信をつけて、宮本が堂々と2008年のジャパンゴルフツアーを引っ張っていく。

  • 「今年も僕らはボランティアのみなさんに支えられています…!!」(宮本)
  • 「悔しさをこらえて握手してくれた遼くん。…嬉しかったな。それにしても僕がそんな風に気持を切り替えられるようになったのは30歳を越えてからなんだけど(笑)」と宮本

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