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フジサンケイクラシック 2004
第32回フジサンケイクラシック2日目謙虚な姿勢で首位キープ、芹澤信雄
今週の芹澤の宿は、10年前に伊東市内に購入したリゾートマンション。コースまで車 で10分の3LDKの部 屋は、弟子の藤田寛之、宮本勝昌に貸してやってもまだ余るほど広い。
芹澤がマンションを出るとき、2人は隣の部屋で夢の中だった。ほの暗い朝もやの 中、起こさ ないように気をつかいながら玄関を出た。師匠が弟子より、早く出発しなければなら ない憂き目にも、「しょうがないっス。スポーツの世界は弱肉強食。嫌なら自分が頑 張って、よい成績を出せばいいだけのこと」と、昨年、賞金ランクによるシード落ち を喫している芹澤は、いたって謙虚だった。
この日のプレースタイルでも、この姿勢を貫く。
スタートで受け取ったホールロケーションシートで、各ホールのピン位置をヤーデー ジブックに書き写しながら、「現状維持でもかまわない。とにかく、謙虚に行く」と決めた。ほとんど のホールでグリーンエッジから距離のない4〜6ヤード、しかも左右に振られたピン位 置が、シビアな戦いになることを想像させたからだ。「今日は1個でも伸ばせれば上 出来」と言い聞かせながらのプレー。
そんな中、さらに3つスコアを伸ばして通算11アンダー単独首位、2位と2打差をつけ る2日連続の60台に 、「自分でもびっくり!! 今日は大きなミスもなく、落ち着いてできたのがよかっ たかな」と、若々しい笑顔で振り返った44歳。
静岡県御殿場市の自宅から、車で1時間以上もかかるとはいえ地元開催の今大会。 「土日にテレビに映 れば、芹澤も現役で頑張ってるって、みんなに思ってもらえるよね」。久しぶりの最 終組で、「中年の 星・芹沢信雄」を存分にアピール。“表街道”への返り咲きを目指す。