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ABC チャンピオンシップ 2006

今井克宗「あの二枚目を、どうやって崩そうか・・・」

この日ラフに入れたのは、ボギーを打った2番と11番くらい。そんな安定したショット以上に好調なのが、夏以降「いきなり入りだした」というパッティングだ。

春先から低迷が続いていた今井が、9月のANAオープンで泣きついたのが真板潔だった。
本人がパット巧者なのはもちろんだが、「その理論もしっかりしている」と、ツアーでも評判の選手はもちろん、すぐに“企業秘密”を明かしてくれるわけではない。

「それでも、しつこくしつこく近づいていったらヒントをくれた」という真板のアドバイスは、予想以上だった。

「・・・教えてもらったことを、ここで全部話していると正月が来ちゃう」と、その場で全容を明かすことは避けたが、アドレスの取り方など「何から何まで全部変えた」というパッティングが、その時点ではまだ、シード権の確保にあえいでいた今井を救ったのは間違いない。

今季自己ベストの7位タイに食い込むと、翌週のアコムインターナショナルで4位タイ。
獲得賞金も、一気に1500万円を超えたのだ。

先週のブリヂストンオープンは、実家から「自転車のたちこぎで10分」という超・地元、千葉県・袖ヶ浦カンツリークラブで開催。

毎年、上位には来るものの「鼻の穴をおっ広(ぴろ)げすぎて」、最後に崩れてしまう。
つまりそれは、「勝ちたい欲が強すぎた」とか「鼻息が荒すぎた」ということを今井流に表現した言葉だが、それを反省材料に今週の決勝ラウンドでは、なんとか最後まで平常心で踏みとどまるつもりだ。

現在、1打差で立ちはだかるのはツアーきってのイケメンゴルファー矢野東。
「男から見ても格好良くて、黙っててもモテそうで・・・。生まれ変わったら、ああいうふうになりたい」と、今井もひそかに憧れている選手。

外見で負けているのは承知のうえで、「どうやって、あの二枚目を崩そうか・・・」。
せめてゴルフで勝ちたいと、いま策を練っているところだ。

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