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コカ・コーラ東海クラシック 2007
カミロ・ビジェガスがプロ初優勝
その言葉どおり、ビジェガスは微動だにしなかった。
2位と2打差で迎えた本戦の18番。
ティショットを左に大きく曲げて、隣の10番ホールのラフに打ち込んだ。
リカバリーの第2打は18番のラフ。
立て続けのピンチにも、動揺はなかった。
例のスパイダーマンのポーズで読みきったボギーパットをねじ込んで、通算2アンダーにとどめて最終組のプレーを待った。
今季、米ツアーで新たに導入されたプレイオフに進出し、最終戦のザ・ツアー選手権 presented by コカ・コーラで9位タイに入るなど、4戦中3戦でトップ10入り。2年連続のシード権も決めている。
藤島よりひとつ年下の25歳。しかし経験の差という点では、ビジェガスが数段うわてだった。
16番のバーディでビジェガスに追いつきながら、18番で絶好のバーディチャンスを外し、にわかに落ち着きを失った藤島に、それ以上付け入るスキを与えなかった。
プレーオフ2ホール目。
第2打を、さらに近くにつけていた藤島に対し、先に奥から下りフックの6メートルのバーディパットを沈めて揺さぶりをかけ、大激戦にピリオドを打った。
昨年の今大会は3位タイ。
2度目の挑戦は、来日前から「今年はリーダーボードの一番上を狙う」と、宣言していた。
蜘蛛男は、狙った獲物は逃さなかった。
難攻不落の三好でプロ初優勝を巧みに絡め取り、有言実行。
「大好きな日本で、しかもこんな難しいコースで勝てたことは、非常に感慨深いものがある。ぜひ、これを機にアメリカでも優勝したい」。
自信という何よりの土産を持って、主戦場へと舞い戻った。
カミロ・ビジェガス(Camilo Villegas)
1982年1月7日生まれ、コロンビア(メデリン)出身。2004年にコロンビア人として初の全米オープン出場を果たし、その年プロ転向。翌年2005年の米二部ツアーネーションワイドツアーで賞金ランク13位に入り、昨年から米ツアーに昇格した。
昨年3月のフォードチャンプオンシップでタイガー・ウッズと競り合い2位タイ。このときの映像は、世界160カ国に届けられ、母国でも初のゴルフ中継として放映された。
今季は、3月のホンダクラシックでプレーオフの末に2位に入るなど、6度のトップ10入りで2年連続のシード権を決めている。