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サントリーオープン 2000
「オヤジも、喜んでくれると思う」
真板は、今季6月のJCBクラシックから、8試合(うち1戦棄権)で連続トップ15入り(4試合でトップ10)と、ハイペースな戦いを続けていた。
そして、上位に顔を見せるたび、
「今年は、胸に期するものがあります」
「今年、勝てなかったらもう勝てない―そういう覚悟で戦っています」
と、熱い胸の内をほのめかすコメントが目立っていた。
それもすべて両親―特に父・保幸さんを安心させたいという一心から出た言葉だったことを、明かした。
インタビューで、「16年目の初優勝について」のコメントを求められるたび、こみ上げる涙を扱いあぐねた真板。
「今年、僕は40歳。ということは、当然両親も年を取ったということです。
2人とも、70歳を超えましたしね…」
特に、ゴルフをはじめるきっかけを作ってくれた父、保幸さん(76歳)は、4年前、胃の大病を患い「もう、コースに応援にくることもできなくなりました」。
16年という月日に両親への思いを重ね合わせ、泣かずにはいられなかったのだろう。
「僕がプロゴルファーになると言ったとき、口では反対しませんでしたが、ほんとうに心配してくれたと思います。今日は父も、きっと喜んでくれているはず」
父に捧げる初V。真板には、涙、涙の1日だった。