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ダンロップフェニックス 2000
▼ 海外招待選手紹介ビジェイ・シン
2位のデュバルと2打差で迎えたオーガスタの18番グリーン。ウィニングパットがカップに吸い込まれると、家族と抱擁を交わすシンの目が、涙にうるんだ。グリーンジャケットを腕に通した瞬間は、「まさかここで勝てるなんて―」。
南国フィジー出身。ゴルフ人口わずか3万人弱という南の孤島から来た怪人は、ミレニアムのマスターズチャンピオンの座を射止め感極まった。
身長188センチ。伸ばして立つと、膝の下まであるという長い腕を生かしたダイナミックなスイング。プロ転向後の80年代、アジアンツアーを転戦した苦しい時代もあった。その流れで日本ツアーにも何度かやってきたことがある。今週は、メジャーチャンプとして再びこの地に降り立つビジェイ。
ファーストネームの“ビジェイ”はヒンズー語で「ビクトリー(勝利)」を意味する。ここ宮崎県フェニックスCCでも、もちろん、勝利をねらっていく。
◆ ビジェイ・シンプロフィール
1963年2月22日フィジー生まれの37歳。
母国では誰もがクリケットに興じるお国柄。しかし幼少のころ、ビジェイは父・モーハンさんにフルセットのクラブを与えられ、ゴルフをはじめた。
フィジーのゴルフ人口は3万人弱。プロゴルファーは10人もおらず、ゴルフ場も12 コースしかない。月給160万ドル(約1万7000円)のクラブプロから82年にプロ転向。アジア、アフリカ、欧州などを渡り歩いて腕を磨いた。生活に苦しい時代も経て、93年には最優秀新人賞、98年の98年全米プロ選手権ではメジャー初優勝をあげる。米ツアーは通算9勝。米フロリダ州在住。アデナ夫人と1男。188センチ、90キロ。