フィリピン出身ながら、日本にルーツを持つ村上弘ことアルテミオ・ムラカミは昨年８月の「イスカンダー・ジョホールオープン」でツアー初優勝。いまや、アジアンツアーのトッププレーヤーとして大活躍している選手だがそれでも今週、日本からやってきたツアーの第一人者に尊敬のまなざしだ。

この日水曜日にパッティンググリーンで遭遇した片山晋呉。一昨年まで３連続の日本の賞金王に、直立不動で挨拶しながら「来年こそ」の思いを強くした。

実は、もともと日本ツアーでの参戦を目指していた。
しかし昨年は、ツアー出場優先順位を決めるＱＴで、ファイナルまでコマを進めながら４日目に予選落ち。
ランクは164位にとどまって、出番がなかった。

なかば仕方なく活躍の場を求めたアジアでその実力を花開かせたわけだが、「やっぱり日本でやりたいという気持ちが大いにある」。
ここでは、毎週のように国境を渡る旅の連続。
「正直、移動がきついんです。それに比べて日本は、次の会場に行くのがほんとうに楽ですからね」とその利点をあげて、「今年もＱＴに挑戦しますよ。そして今度こそ、絶対に出場権を手に入れたい！」。
流暢な日本語でそう言って、たくましく日焼けした頬をほころばせた。

• 片山 晋呉