スタートホールに上がってきた倉本に、ひときわ大きな拍手と歓声があがる。
「倉本、頑張れ！」
「待ってました！！」
重い心臓病の大手術を乗り越えて、上位で決勝ラウンドを迎えた。「まだあまりムリはできない」と言いつつも、倉本の気持は、この観衆の期待に応えたい一心だっただろう。

ティショットでベストポジションに運んだにもかかわらず、バーディにできなかった９番と１５番のふたつのパー５。この攻めに関しては「これが、自分が一番強かったときとの違いだとつくづく思った」と反省しきり。

しかし、出だしの２ホールで連続ボギーとしながらも、５番、１８番をバーディでパープレーに戻して通算5アンダーのまま、4位タイでホールアウト。
「このコースは、そんなにいいスコアが出ないんです。そういう意味でも今日は硬いゴルフができましたね」と、まずまずといった表情の倉本。
「寒かったので、前半は、練習ラウンドをしているような感じで。後半は、飛ばすところ、飛ばさないところを考えたプレーをしました。とにかく、今日はアンダーにいたかったので、大叩きはしたくなかった」と、話す顔には充実感にあふれていた。

• 倉本 昌弘