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ファンケル沖縄オープン 1999
尾崎直道、8年ぶり2度目の賞金王に輝く
しかも今年は、日本プロと日本オープンも同時に取れた。僕のゴルフ人生で最高の年だったといえるでしょう。
8年前に賞金王を取ったときの気持ちは、正直言っていまくわしくは思い出せませんが、あのときは初の賞金王ということで、しかもそのとき1番強かった尾崎将司、中嶋常幸という大きな壁を破ることができたという思いで、『やることはやったんだ、思い残すことは何もない』とアメリカへのチャレンジを決めて、2足のわらじをはいたわけです。
それからアメリカで揉まれ、あれから毎年少しずつ成長し、8年たって再びこうして賞金王になり、1990年最後の年にも自分のゴルフが伸びているっていう確信、そして、40代になっても、まだまだ長持ちして、元気にゴルフがやれているという喜びは、…なんていうのかな、すごくジーンと来るものはありますね。
しかし…最近は年とったせいか(笑)、嬉しさを全面に出すよりも、反省とかそういうのが先に頭をよぎっちゃうのも事実なんです。
何か、ストレートな嬉しさみたいのが、出てこないというか…こういうとき「素直さがなくなったのは、年とったせいかな」なんて思ったりして(笑)。
賞金王を取った喜びよりも、来年どうしようかって言う気持ちのほうが大きいというのが本音かな。
でも…若返って、素直に喜んで、来年は、そっからのスタートにしたいなとは思っています。来年の不安がよぎるとか言う前に、来年はまた何かを変えていかなくちゃいけないわけですから。
1990年代が終わって、そういう意味では目の前の出来あがったものを素直に喜んで、そうやって気持を盛り上げて行けば、僕はどっちかというと渋いタイプの人間ですけれども、だんだん明るさも出てくるのかな、というふうに思ったりもしています。
家族にも、賞金王が決まってすぐに『取ったよ』って電話もしました。こういうことは・・・今年の日本オープンで勝ったときもそうだったんですけれど、回りが喜んでくれることが何よりも嬉しいものです。
まず家族、そして、身近なファン、そして日本中のファンが喜んでくれるっていうこと・・・みんなの期待に応えるということが、僕のゴルフの1番の起爆剤なんです。長くゴルフをがんばっていてよかったな、って心から思える瞬間ですね。
最後に、細川君には、試合出場数の多い中で、タフマンで頑張って、12月の日本シリーズでははじめて逆転優勝で勝って賞金ランク2位になれたわけですから、悲観することは何もない。『ここまでやれてよかった』と、そしてその気持ちを来年にぶつけるゴルフをしてもらいたいと思っています」