記事

UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2009

秋葉真一「まぐれですよ、まぐれ!」

この選手から、自信めいた言葉を聞いたことがない。1番からの連続バーディで幸先の良いスターを切り、そして最終ホールも左から8メートルのバーディパットを決めて、5アンダーは66なら、もっと景気の良い言葉が出てきても良さそうなものだがホールアウトしても、会う人会う人にこう繰り返す。

「まぐれですよ、まぐれ!」。

今年44歳だが、先週の三菱ダイヤモンドカップでツアー初優勝をあげた兼本貴司とプロ同期。年齢の割に、プロ17年目とキャリアが浅いのは、プロを目指したのが20歳のときと、遅かったからだ。

入団したばかりの実業団野球チームが直後に倒産し、行き場を無くして一念発起した。
研修生として入ったコースにたまたま佐々木久行というスター選手がいたことが、幸いした。
「身近に手本がいたことが僕にはラッキーだった」。

先輩の背中に追いつき追い越せと頑張ってきたが、賞金ランクは40歳で初シード入りを果たした2005年の58位が最高で、2007年にはシード落ち。

まだまだ、自信を持つような成績を出していないことも、消極的なゆえんだろうか。

ツアープレーヤーNO.1を決める今大会は、大舞台にもリキまずに、「多少は曲がってもいいから、力を抜いてゆったり振ろう」と心がけたことが奏功した。
昨年のファイナルQTランクは1位の資格で参戦する今年の目標は、「チャンスが来たときに、少しでも上で回ること」と欲もなく、「ちょっとでも長く、ツアーにしがみつこうと思っている」と、控えめに笑う。

「明日の目標は、予選落ちしないこと!」。
2位タイにつけた選手は大まじめに宣言したが、難コースではそれほどに警戒して十分かもしれない。毎日着実にスコアを伸ばし、このビッグトーナメントで大きな結果を残し、自信をつけたいところだ。

関連記事