記事
オフシーズンの選手たちの声をお届け<4年連続シニアツアー賞金王・高橋勝成>
入院中はずっとそばについていてやりたいのはやまやまでしたが、職業柄そういうわけにもいかず、せめて、自分がゴルフで頑張ることで息子の勇気になれば、と気持ちを奮い立たせて試合に出場してきました。それが今では息子も週に1度だけ徳島の病院に通うだけでよくなり、長いことかなわなかった家族団欒の時間を、いま存分に味わっています。
今年のオフの僕の行動範囲も、もっぱら地元中心。日帰りできないようなところは避け、自宅周辺のコースや練習場で調整をして、夕食の時間には必ず帰宅するという生活パターンです。
ほとんど家族で食卓を囲めなかったこの5年間を一気に取り戻したくて、日が暮れるといそいそと家に帰る毎日なんですよ。
勝紀が家に帰ってきた途端、なぜかこれまで悩まされてきた自身の腰やひざ、ヒジなどの痛みもうそのように消えてしまいました。今思うと、常に息子の病気を不安に思う気持ちが頭にあったころは、身体のあちこちが知らず知らずこわばってそれが、故障にもつながっていたのかもしれません。
勝紀が家に帰ってきた途端に、良いことがいっぱい家に舞い込んできたという感じ。試合で勝つよりも、ずっとずっと嬉しかった今回の息子の退院でした。
振り返ってみれば僕の人生、いまが最高に幸せなとき。この幸せをかみ締めながら、今シーズンはガンガン行くつもりです!!」
高橋勝成
1950年8月5日、北海道生まれの53歳。日大出身。75年にプロ転向。85年、87年の日本プロマッチプレー、88年のラークカップなどツアー10勝(ただし算定試合数8勝)。 80年代には“ジャンボキラー”として人気を誇った。50歳を機に参戦したシニアツアーでは、“ルーキーイヤー”の2000年から昨年まで、4年連続の賞金王に輝いている。