記事

谷原秀人「明日は行ける予感がする」

欧州とアジア共催のバランタイン選手権初日。4人の日本勢でただひとり、午後スタートだった谷原は、前半の2番パー3で右奥の池に打ち込んだ。「5番アイアンでは大きすぎた」。そのとき、もっとも風が強かった。「アゲンストと勘違い。完全に、読み間違えです」。ダブルボギーにもサバサバと「まだ先は長いし“ま、いっか”って・・・(笑)」。
あとに引きずらないのが谷原の強み。

そして、空気がどんよりと湿り気を帯びて、それまでの強風がウソのようにピタリと止んだ途端の3連続。
9番と10番のパー5でバンカーからOK距離につけてバーディ。11番で3メートルを沈めて盛り返した。
12番、14番の3パットは痛いが、通算2オーバーにもあっけらかんと、「ま、初日はこんなもんでしょ」と屈託がないのは「けしてゴルフの内容は悪くない」という確信があるからだ。

上がりホールでラッキーもあった。
16番パー5。先の3パットを取り戻そうと力が入ったか。左のブッシュに打ち込んだ。
背の丈ほどもある高い草むらは、ロストボールも覚悟したが懸命の捜索の末に、アジアンツアーの競技委員が「これじゃないかな!?」。

同組の選手たちも揃っていっせいに覗き込んだボールには、今年新たに用具契約を結んだ「プロギア」のマークが。
最悪の事態をまぬかれた。
そこからいったん横に出し、4打目をピン奥8メートル。
このパーパットをねじこんだのが大きかった。
「今日は距離感が悪かったりで出遅れたけど、なんか明日は行けそうな予感がするんですよ」と、谷原。
得意の動物的勘で、巻き返しを狙う。

関連記事