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Hitachi 3Tours Championship 2007 ジュニアレッスン会を開催

中嶋がカメラマンよろしく、子供たちにテキパキと指示を出して、記念撮影の配置を決める!
だんだん緊張がほどけていく。自然な笑顔がこぼれだす。はじめのうちは、互いにどこかよそよそしかった子供たちが、いつの間にか屈託のない会話で盛り上がる。 
「ヤッタね!」
「ナイス!」
「すごいじゃん!」
「…もう、明日の宿題やった?」
白いボールが心と心をつなぐ架け橋だ。

女子とシニアと男子の3ツアーが、熱い戦いを繰り広げた「Hitachi 3Tours Championship 2007」は、前日8日(土)に最終日を終えたばかり。
まだ興奮冷めやらぬ会場のキングフィールズゴルフクラブ(千葉)で9日(日)、ジュニアレッスン会が行われた。

参加者は女子のLPGAと、シニアのPGAと、男子のJGTO各ツアーのHPで公募した30人の小学生たち。
友達同士で誘い合わせて応募した子も多いが、中には一人で申し込んだ子もいた。
最初はモジモジと一定の距離を保っていたレッスンの輪が、時間を追うごとに徐々に縮まっていく。
かわりに思いやりの輪が広がっていく。
「キャディバッグ、持ってきてあげるよ」。
「ボールを拾ってあげる」。
年長の子が、さりげなく年少の子の面倒をみるようになる。優しさがあふれ出す。

本人の希望に沿って、2コースに振り分けられたレッスン会は、初級コースがまずゴルフに親しむことを第一の目的とし、中級がよりレベルアップを狙った内容となった。

グリップの正しい握り方から始まって、アドレスの取り方、距離感の出し方など基礎技術はもちろん、レッスン会の講師をつとめたPGAの髙橋忠明さんと松本孝美さん、LPGAの桐林宏光さんと久保リカさんら、4人のティーチングプロがそれ以上に重んじたのはマナーやエチケットの習得だった。

普段は優しい先生たちも、マナー違反の子には厳しい声。
「グリーン上は絶対に走らない!」。
「歩くときは足を引きずらないで!」。
「お友達が打つときには、その人の背中かおヘソの位置に立つこと!」…これはつまり、飛球線方向に向かってアドレスの真後ろに立たないよう配慮するように、ということだ。

そのうち、子供たちも自分で気づくようになる。
うっかり芝をクツで引っかいてしまった子が、慌ててその場にひざまずく。
パターで上からそっと撫で、グリーンに「ゴメンね・・・」と謝った。

そのほか「目上の人には挨拶を」「良いことをしてもらったらありがとうと言おう」等々…。
いつもお父さん、お母さんから教えられていることも、“先生”から言われると改めてその大切さに気がつく。
レッスン会の第一の目的はただゴルフが上手い子を育てるのではなく、ゴルフを通じ、より良い人間形成に必要な、さまざまな道徳的要素を学んでもらう場でもあったのだ。

昼食をはさみ、いよいよレッスン会は午後から佳境に。
待ちに待ったドライバーショットの練習会。
さらに実践練習は、ウサギやゾウの形をした的に誰が一番近くに寄せるか。
1グループ2チームに別れ、リレー方式で打つパター合戦は、何回繰り返しても飽きない。
ショートして悔しがり、カップを大きくオーバーして喚声をあげる。
ようやくカップインしてみんなでハイタッチ!

しっかり厚着してきた子もやがてジャンパーを脱ぎ、セーターを脱ぎ…ついに半そでになってしまった女の子もいた。

そして、とうとうおしまいの時間が来た。
「は〜い、そろそろ終了します」との合図に「ええ〜もう?!」「まだ遊びたい」と残念がる子供たちの表情が、再びパっと輝いたのは先生のこの言葉だ。

「これからね、プロゴルファーのみなさんが一緒に写真を撮ってくださるのよ!」。

賞金王や女王をはじめ、今回の出場選手たちはジュニアレッスン会のかたわらでこの日、スポンサーのみなさんとプロアマトーナメントを戦っていたのだ。それもそろそろ終わるころ。

前日、男子ツアーが優勝賞金を受け取ったばかりの表彰台に子供たちが先に登壇して待っていると、中嶋常幸が真っ先に壇上に駆け上がってきた。
「前の列の子は、体育座りをしよう。後ろの子はお友達の間からちゃんと顔を出すんだぞ!」と、カメラマンよろしくテキパキと指示を出すうちに、ほかのプロも次々に上がってきて揃ってハイチーズ!

女子VSシニアVS男子の対抗戦「Hitachi 3Tours Championship 2007」の大会趣旨は「For Child Charity」だった。
「今日は新しいお友達も出来たし、プロの人たちと一緒に写れて嬉しかった!」。
参加した3ツアーズの面々は、未来を担う子供たちに最高の思い出をプレゼントした。
  • 女子プロチームの登場に羨望のまなざし
  • 全員揃ってハイチーズ!