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谷原秀人「目標はズバリ、賞金王です」
前半の18番が、それを象徴していた。
ティショットを右の池。ドロップして打ち直しの第3打がまたまた池。アプローチは、わずかにグリーンをこぼれて極めつけが3パット。オーバーパーの「8」を打った。
さらに後半。5番パー3ではまたもや池。トリプルボギーを打って万事休すだ。
欧州とアジア共催のバランタイン選手権2日目。2オーバーからスタートした谷原は、もともと予選通過の圏外だっただけに、結局通算6オーバーにはもはや目も当てられない。
113位タイ(14日時点、暫定)は予選落ち確実。
「ま、こんなもんですよ」とポツリと言ったが、淡々とした口調とは裏腹に、この2日間は充実感で一杯だったようだ。
今回は思い切って、今季からチームを組んだ内藤雄士コーチを帯同したおかげでアプローチのバリエーションが増えた。
「大まかに言うと、スピンを殺して微妙な距離感を出す打ち方」。
豪快で、歯切れの良いスイングは、より精度がアップした。
「余計な手の動きを抑えて、ボディターンで打てるようになってきた」と、満足そうに話す谷原のかたわらで、内藤さんがうなづいた。
「ものすごく良い収穫があったと思う。今週は確かにいっぱい打っちゃったけど、いろいろ試しているうちは仕方ないから」。
今回の遠征費も、今季かかげた目標の“授業料”だったと思えば安い。
「ずばり、賞金王を狙います」と谷原。
「・・・なんちゃって、こんなに打っといて言うなって感じですけど。でも、本気なんですよ!」。
何よりの土産を手に、笑顔で韓国・済州島をあとにした。