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シニアチームは最下位にも…

シニアのPGAチームは10.5ポイントの最下位でのスタートにも揃って「ガハハ」と笑い飛ばした。キャプテンの中嶋常幸も「うちはゴルフで勝つというよりも、笑いで一番になれればいい」と言うとおり、みな盛り上げ役に徹する。

前半のダブルス戦でその中嶋は、ペアの三好隆と結託して男子と同じ位置にあったスタートティを抱えてスタコラ逃げ出した。

そして、PGAの松井功会長に懇願。
「ねえ、このくらい前にして!」。

しかし当然、聞き入れられずスゴスゴとティを戻す様子に笑いを誘った。

また三好はその1番ホールで、セカンドショットを大シャンク。
中嶋は、同組で回る他チームの選手たちに口を酸っぱくして忠告していた。
「三好さんの右側には絶対に立つなよ」。
その言葉どおりの大失態に「ごめんなさい」と、苦笑いで詫びていた。

後半のシングルス戦で、横峯さくらと石川遼と戦った室田淳は、もはや2人の父親の感覚だった。
「だって、遼くんのお父さんは何歳?」。
「僕のお父さんは52歳です」。
「さくらちゃんは?」。
「48歳です」。
本人は53歳。
「ほーらみんな、僕より若い」。
また、石川とは実はご近所さんという話題で盛り上げて、「でも遼くんのいる松伏より僕の越谷のほ

うがちょっと都会」と、妙なところで自慢げに胸を張って、笑わせた。

揃いも揃って道化に徹しているかのようなシニアチーム。
しかし、シャンクの三好は後半のシングルスで勝ち点3をゲットして、「最初にあんなプレーをお見せしておきながら…みなさんの期待を裏切ってスミマセン」と、今度は別の意味で頭を下げた。

飯合肇は、片山晋呉と古閑美保との賞金王VS女王対決で古閑と揃って片山を下し、「歯が立たなかった」と言わしめたが実は、レギュラーツアーとシニアの両ツアーで賞金王に輝いたのは飯合だけだ。

本人も自負していて、それこそがモチベーション。
首位の女子とは3.5ポイント。2位の男子とは2ポイント差にも、まだまだあなどれない。
お笑いに徹するその姿勢こそ、敵を欺く作戦かもしれないのだ。

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