今シーズンでプロ生活も29年目になる。昭和40年代は期待の大型プレーヤーとして注目されていたものだが、このところ腰痛、内臓疾患なのに苦しみ、55年から4年間シード落ちの苦しみを味わった。しかし59年のシーズン最終戦・大京オープンで鮮やかな逆転優勝を飾って、5年ぶりにシード復活。その後は優勝こそないものの、確実に地位を保ってきた。しかし61年は、前半戦でいい結果を残し、夏場までにシードを確実にしていたから、後半戦も楽に戦って、ランキングも21位まで上げ得たが、昨シーズンはショットに安定性が見られず、目立った成績といえば、春のペプシ宇部と秋のゴルフダイジェストでともに8位というぐらい。中部オープンも、いい出足を見せながら、出口栄太郎にタイトルを奪われて2位である。これではシード権が拡大されても、ギリギリの通過は止むを得なかった。「年齢的なもの、体力、気力の問題もあるけれど、それなりのやり方が出来れば、シード権など心配することもないはずだが」といっているように、ショットのリズムの狂いが、パーセーブ率(79.21)、パーオン率(58.02)とも、50位以内にも入れず、僅かに、ベテランらしい冷静さがものいって、平均パット数が29.02で5位につけたことが、シードを守れた要因になっていた。＜1988＞