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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2010

池田勇太は今年も・・・・・・

無邪気にピースの石川の横でうつむく池田。悔しさをこらえ、出席した全員参加の閉会式。
昨年、取り逃がした賞金王。今年も一歩、及ばなかった。若大将の消沈は大きかった。いつもは会見でも、マイクが要らないほど。元気いっぱいの大声も、この日は小さくか細かった。

逆転の王座には、この最終戦での優勝が絶対条件。最終日も「絶対に勝って終わる」と、きっぱりと宣言して出ていった。

しかし「気持ちが空回りしてしまっているのか、未熟なのか。今年、やってきたことは、なんだったのかなあと、そう思わせるような内容でした」と、低い声で唸る。

最後までもつれ込んだ三つ巴の賞金レースは、そのために連日、遅くまでかかって新しいクラブを仕上げ、初日に間に合わせた。
毎日たっぷり2時間以上をかけて、福田努トレーナーのケアを受けた。専属キャディの福田央さんの体調も考慮して、今週は初めて4日間、運転手も雇った。技も、道具も、体も、環境も。万全の体勢で、首位と4打差の最終日を迎えたつもりだった。

「午前中に5バーディを取って、トップを捕まえて優勝争いをして。それでバックナインでひとつもバーディが獲れない、というのは一言で言うと、最悪な結果だと思う」。

そして17番パー5でのボギー。「自分があそこに打った、というのも最悪なプランだったと思います」。
2年連続の年間4勝は、今年の最多勝利をあげても最後の最後で頂点に立つことが出来なかった。何が足りなかったのか。「今それを聞かれても、すぐには応えられない。この試合に勝っていれば、なれていたのか。良いときと悪いときの差が激しかったせいなのか・・・・・・」。心の整理がつかない。

結局、賞金ランキングは4位に終わり、「けっして自分にお疲れさんでした、とは言いたくない。いまはそんな心境です」と、言い残して席を立った。

  • 初日62のベストスコア賞受賞で笑顔を振り絞った

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