「日本ゴルフツアー選手権 シティバンク カップ 宍戸ヒルズ」の第3ラウンドは、早朝の雨でスタートが約4時間も送れたばかりか、午後からの雷雨で競技を中断。日没サスペンデッドとなった波乱の展開は、子供たちにとっても過酷な1日となった。
ツアープレーヤーたちが激戦を繰り広げるそのかたわらで行われた恒例の「第8回スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ」も15時に雷雨のため、競技を一時中断。
約1時間、プレーが止まるというハプニングを乗り切って、みごと頂点に輝いたのは、沖縄県の那覇市立壺屋小学校だった。
嘉数正・監督によると、一番の勝因は、ずばり「笑顔」だ。
2005年の優勝校は、今年3年ぶりの出場だった。
先輩たちに、「ぜひもう一度優勝カップを」と送り出されたことが、プレッシャーとなった。
13時30分のスタートが近づくにつれて、次第に表情が強ばっていく子供たち。
嘉数さんは内心、苦笑いで子供たちの背中を叩いた。
「笑え」と、監督は言った。
「ゴルフを心から楽しんで来ればそれでいい」と言って送り出したのだが、終盤に突然の大雨だ。
6人中4人がまだ、プレーを残しており監督は、いったんクラブハウスに引き上げてきた子供たちの動揺が心配だったが、その様子に安堵した。
「優勝、出来るかな」。
「それより、プレーは続けられるのかな」。
「早くプレーをしたいよね」などとさざめき合いながらも、誰一人としてダレる子はいなかった。
むしろ、再開を待つ間も「遊ばないようにしようね」などとみんなで笑顔で励まし合って、集中力を途切れさせることなく、16時10分のプレー再開後も気合いのこもったプレーで、キャプテンの小玉勇吾くん(小4)は、青コース6番でのホールインワンを含む24ストロークのベストスコアをマーク。
また、小3の嘉数芽香さんもやはり赤コースの3番で、さらに小4の西村優紀さんが、同6番でホールインワンを達成するなど、記録尽くしのトータルスコアは132ストロークで、栄冠を勝ち取った。
日頃の鍛錬のたまものだ。
開催の1ヶ月前から毎日、欠かさなかった練習は、まず準備体操とランニングから始まる。「“基本中の基本”が練習の半分を占める。それが、自力につながりました」と嘉数監督。
加えて今年4月には、同校を訪れたシニアプロの髙橋勝成の指導を受けて、メンバーのモチベーションはさらに上がった。
「みんなで一生懸命に練習したから勝てました」と、口を揃えた。
「お父さん、お母さんをはじめ、たくさんが見守ってくれたからです」と、頷き合った。
そしてそんな感謝の気持ちは、勝ったチームも、残念ながら今回は負けてしまった子の胸の中にも共通してある。
表彰式の最後に、出場選手を代表して、締めの挨拶をしたのは静岡県の森町立宮園小学校の子供たち。
キャプテンの小池竜矢くんを筆頭に、武藏島新くん、土屋拓人くん、村上慎くん、福岡駿くん、佐竹洋輝くんが、順番にマイクの前に立ち、やっぱり最後は、ご両親と監督、友人と、さらには開催コースの宍戸ヒルズカントリークラブと、主催者の我々日本ゴルフツアー機構への感謝の気持ちを語ってくれた。
「素晴らしいコースをご提供してくださって、ありがとうございました」との心のこもったスピーチに、草野道朗・総支配人も感激・・・・・・!!
最後は全員、拍手でお互いの健闘をたたえ合った。
・・・・・・みんなで力を合わせて頑張った今日の日の思い出を、みんな一生忘れないでね!!
<第8回スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ成績発表>
1位 132ストローク 那覇市立壺屋小学校(沖縄)
小玉勇吾(スコア24)
西村優紀(スコア26)
黒木健太(スコア26)
嘉数芽香(スコア26)
糸数佳音(スコア30)
川村恕誠(スコア33)
(6人中5人の上位スコアを採用)
2位 136ストローク 笠間市立岩間第三小学校(茨城県)
3位 138ストローク 笠間市立北川根小学校(茨城県)
<そのほか記録>
★ベストスコア(24)
小玉勇吾(那覇市立壺屋小4年)
飯村綾(笠間市立岩間第三小4年)
富田彩香(笠間市立北川根小4年)
箱田翔(笠間市立北川根小4年)
★ホールインワン
小玉勇吾(那覇市立壺屋小4年)
川俣祐真(立教小学校)
土屋拓人(森町宮園小4年)
嘉数芽香(那覇市立壺屋小3年)
西村優紀(那覇市立壺屋小4年)
★アルバトロス
賀波澤優貴(笠間市立北川根小4年)
富田彩香(笠間市立北川根小4年)
※敬称略
大会全成績は「こちら」をご覧ください。