Tournament article
カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2011
すし石垣が、津曲泰弦が・・・!! 人気者が、飛ばし屋が帰ってきた
まさに、ボーダー線上に立たされての戦いは、「とにかくもう、やるだけ」と、決死の覚悟で臨んだ。「誰がどれだけ稼ぐかとか、今日は誰が何位とか、そんなことよりただ、自分が集中して良いプレーをするだけ」と、懸命に言い聞かせた。
確かにプレッシャーにまみれた4日間ではあったが、それも「ピークは過ぎていたので」。最も重圧にさいなまれたというのが、今年9月。
何試合かで極度の緊張を味わって、「逆に吹っ切れた」と、あえて来季の出場優先順位を決める次週の予選会ファイナルQTの情報も事前に仕入れず、「来週の会場が、三重県というのは今週初めて知ったくらい」と、まっさらな気持ちでプレーしたのも良かった。
最終日は、同じ組で回った石川遼にも遅れを取らず、68の同スコアで回って11位タイの同順位につけて、最終18番で改めて頭を下げた。「来年もよろしくね!」。ニッカボッカの人気者は肘の怪我による手術も克服して3年かけて、いよいよツアーに戻って来られた喜びを爆発させた。
そして津曲泰弦(つまがりたいげん)は、今大会で大逆転のシード復活となった。大きな1打となったのは、この日最終日はインスタートの最終9番だった。奥から5メートルのバーディパットをねじ込んで、引き上げてきたクラブハウスで、スコア速報のコンピューターを弾き出してみると大会前の賞金ランキング72位はボーダー線のちょうど枠外から、圏内の70位前後に潜り込んでいた。
それからシード権の対象となる全選手のホールアウトまで、ハラハラの時間を過ごしたが、最終的に70位に収まって胸をなで下ろした。
身長187センチの飛ばし屋が、舞い戻る来季のツアーで目指すのは、もちろんツアー初優勝。
「勝ちたい。そのためにこのオフは体力、技術を見直してきます」。
二度と、こんな苦しい思いはご免だ。