Tournament article
〜全英への道〜ミズノオープン 2011
ご当地プロのすし石垣は「俺だってもういい加減・・・」
この日は、ごく普通のスラックスとキャップ姿に、参加アマから「いつもと違う」とさかんに言われて、「いまはまだ、変身してませんから。まだ気持ちが入ってませんから。これから徐々に、“すし石垣”になりますから」と、おどけて笑った。
まだ姿こそ、戦闘モードにはなっていないが、すでに気合は十分だ。
大会は今年、5年ぶりとなるJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部での開催に、地元・岡山県は出身の埼玉県から移り住んで7年目。
JRの岡山駅と目と鼻の先にある自宅は、「出発時間の10分前に駅に向かえば間に合う」という利便性に加えて、「新幹線の中からでも家が見える。行きも帰りも車内から、子供たちに手が振れる」。
コースから車で1時間の立地に、自宅通勤はちょっと無理だが、「きっと今週は子供たちも応援に来てくれる」と励みに。
「パパもやれば出来るんだというところを見せたい」と、悲願のツアー初優勝はぜひ地元で、と気が逸る。
そして、聖地を夢見て丸8年。世界中に門戸を開く目的で、2004年から5大陸で始まった全英オープンの予選会「インターナショナルファイナルクォリファイング(IFQ)」。その第1回大会から出場しているすしは、アジア地区予選の常連でもある。
今年も、タイ・バンコクのアマタスプリングCCで行われたIFQに挑戦したのだが・・・。毎年、起用している現地キャデイに言われた。
「もういい加減、イギリスに連れていってくれよ」。
そして、それは言われるまでもなく、「僕自身が一番、思っていることであり・・・。僕だって、もういい加減行きたいですよ」と、苦笑したが、まだビッグチャンスは残っている。
今大会で上位4人に入れば、今年の会場はロイヤル・セント・ジョージ―ズ行きの切符がもらえる。2年前に、肘の手術をしてから、昨年のチャレンジトーナメントは賞金ランキングで2位に食い込み表舞台にようやく舞い戻ってきた今季はとおとうみ浜松オープンで6位タイにつけるなど、本人にも手応えがある。
「今年は楽しみ」と、すしが自分に期待している。