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中日クラウンズ 2011

石川遼は、連覇ならず

昨年の再現、とはいかなかった。奇跡は起こらなかった。もちろん、「58」もない。6打差の大逆転もなかった。周囲の期待と同じ分だけ、本人もその気満々で和合に戻ってきた。

「僕も連覇が出来るように全力を尽くして、という意気込みでしたが、簡単なことではなかった」。

完全にその可能性を見失ったのは、12番パー4だった。ますます激しさを増した雨。フェアウェーにも水がたまり始めていた。石川の組も、しばらくプレーをためらった。
そのあとのティショットは左のラフ。第2打は、木の枝にたたき落とされバンカー目玉に。「あれはどうしようもなかった」と、すぐ目の前のラフに出ただけのショットにはさすがに顔を伏せ、しばらく呆然とその場に立ち尽くす場面も。
そして次の4打目もまた、バンカーへ。ダブルボギーを打った。

16番では、2番アイアンを握ったティショットがラフに捕まるなど、計算が裏目に出た。
「アゲンストが強くてドライバーで打っても林は越えないだろう、と。残念だなと思いながら刻んだら、案の定ミスショットした」。
中途半端な決断が、ボギーを招いた。
「ティグラウンドで割り切れれば良かったです」。
首位を捉えるどころか、首位との差をひとつとして縮めることも出来なかった。

連覇はならなかった。昨年のようにはいかなかった。結局通算3アンダーの12位タイにも、得るものはあった。
「先週、先々週に比べてショットの面で、凄く良いタイミングでボールが打てるようになってきている。先週よりも、飛んでいる」。
今季初Vにむけて、「あとはショートゲーム」と、課題も見つかった。

期待に応えることは出来なかったが「雨の中にもかかわらず、たくさんの方に見守っていただいて、連覇を狙うことが出来たことも大きな収穫」と、これもまた一つの貴重な経験として、今後のさらなる飛躍を誓った。

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