Tournament article
とおとうみ浜松オープン 2011
すし石垣が首位タイ浮上
「いや、全然考えてなくて」。
この日2日目も相変わらずの強風に、楽しいパフォーマンスを考える余裕もない。まして、もともと「僕は真っ直ぐ行くタイプではないので」。
その分、「ロングパットとか、チップショットとか、僕の場合はこれまた小技の“技”というほどのものではないですが、そういうのでよく我慢出来ました」。
最終9番パー5も、グリーン面の見えない奧の深いバンカーの中から反対側の池に向かって打つアプローチ。
ぴったりと寄せて歓声を浴びた。どうにかバーディで首位タイに浮上して、安堵の息を吐いたすしをたきつけたのがこの2人。
同組の室田と深堀に、「ダンス、ダンス」とはやし立てられて慌てて作ったのが、写真のポーズ。
いつもは、開催コースの情報を仕入れてその週の決めポーズを考えてある。
たとえば徳島県なら「阿波踊り」。アジアンツアーにも精通した選手は、タイ・バンコクなら「ムエタイ」だ。
それならばこの日の「汽車」とここ浜松は、どうつながるかと聞かれて照れ笑い。
「いや、ほんっとに今日は考えてなかったので」と、行き当たりばったりのパフォーマンスに恐縮しきりだ。
「いやぁ、でも一応、同じ組の人と後ろの人。迷惑がかからないように、ちゃんと配慮してるんです」と、そこはしっかり強調して、「さあ、明日からはどうしよう!?」。
「浜松といえば、ウナギですよね」と報道陣に言われて、笑顔をパッと輝かす。
「こう・・・ですね」とぬるぬるウナギを必死で掴み取るポーズで、「でも、お客さんに分かりますかね?」と、心配顔に。
ですからみなさん、もしも週末にも“すしダンス”が見られるようなことがあったら、それは浜松名物のウナギを表現したパフォーマンスとご承知を。そして暖かい拍手と歓声を、ぜひ。
今年新規の「とおとうみ浜松オープン」は、市民のみなさんによる完全手作りのトーナメントを盛り上げたい、という気持ちは人一倍。
「東北のことも、もちろんある」。
もはやトレードマークのニッカボッカのお尻の部分に、自身の似顔絵とともに描かれたメッセージは「がんばれ東北、がんばろう日本」。
愛してやまないボートレースは、1打差の単独5位につけた前日初日にその世界のトッププレーヤーたちからたくさん激励のメッセージをもらった。
また競艇をきっかけに、交流を持ったプロ野球選手からも暖かい励ましを受けて、「あんまり考えてないような僕だけど。ちゃんといろいろ考えているんです。みんなが頑張っているのに、自分が頑張らないでどうする、と」。
週末こそ“すしダンス”にそんな熱い思いを込める。