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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2011

2人の韓国勢が首位発進

かゆがるチョイにカツを入れてくれた青山キャディ(左)と二人三脚で、プロ日本一に挑む!
2011年のプロ日本一決定戦。初日は2人の韓国勢が、首位で並んだ。金亨成(キムヒョンソン)と、J・チョイは韓国系アメリカ人。本格参戦2年目の27歳が、かゆみをこらえて好発進だ。イーブンパーで耐えた前半。チョイに異変が起きたのはスタートしてすぐの2番パー5だった。

ティショットで無事、フェアウェイを捉えたあと、ふいに全身がかゆくなった。突如、発症した赤い斑点は、みるみる体中に広がった。
大会の緊急時に備え、会場に常駐する医師が駆けつけ下した診断は「じんましん」。すぐに昨晩の食事に頭を巡らせたが、思い当たるふしはない。

「昨日は焼き肉を食べて、そのあとコンビニでクリームパンを買って・・・」。原因を探るより前に、とにかくかゆくてたまらない。これでは集中出来そうにない。しかし、あいにく医師にじんましんの薬は持ち合わせがなかった。
「かゆいよ!」と、訴えるチョイにカツを入れてくれたのは、プロキャディの青山邦仁さん。

「かゆいと思えばかゆい。かゆくないと思えばかゆくない!」。この言葉に納得した。
インターバルや、ショットとショットの合間は気になっても、ひとたびアドレスに入れば「かゆいのは無視した」。一切忘れてプレーに徹した。

幸いにもほどなくして、斑点は次第に引いていき、かゆみのピークが去ると後半から一転、攻撃に転じた。
10番は、ドライバーでフェアウェーを捉え、残り44ヤードからピンまで1メートルにつけて「今日は行ける」と、感触を掴んだ。
11番で連続バーディ。13番、さらに15番から3連続バーディで一気に首位に躍り出た。

会場のここ小野東洋ゴルフ倶楽部は2年前に、ツアーの出場権をかけた予選会・クォリファイングトーナメントのサードステージで回り、初日に69を出した相性の良いコースでもある。
そのままファイナルステージまで進み、QTランクの資格で参戦した昨年は、初年度にしていきなり初シード入りを果たして、一気に名を売った。

自身が乱視であることが判明したのは3週前だ。そのせいで、ラインが読み切れなかったり、ボールの行方を見失うことがしょっちゅうあった。
「でも目が悪いことに、ずっと気がつかないで来たんです」。
さっそく度入りのサングラスを新調したが、先の中日クラウンズでは地面が浮き上がって見えたり、パットのラインがすべてフックに見えたり・・・。
中でも一番の弊害は、「プレーしていて気分が悪くなった」ことだった。

先週のオープンウィークで、改めてメーカーに調整してもらい、納得のいくものが出来上がった。「新しいメガネのおかげで弾道もラインもくっきり見えるし、ゴルフがますます面白くなった」と好発進。「時間の問題」との呼び声高いツアー初優勝にむけて、視界も良好だ。

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