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ANAオープンゴルフトーナメント 2012
中嶋常幸は「私、ひそかに燃えてます」
今年記念の40回を迎えた今大会は、「私がプロになる前から続いている。ジャンボさんの優勝争いなどをテレビで見て、いつか出たいと思い続けた憧れのトーナメントでした」と、懐かしそうに振り返る。
大会の思い出は、そのまま大好きな北の大地との思い出と重なる。
「北海道は芝も好きだし、人もおおらかだし、居心地が良くて若返る」という。
「ご飯も美味しいしね」と、目尻も下がる。
中嶋が30年以上も通い詰めている店が札幌にある。東急インホテルの地下にあるチーズフォンデュの店「ケルン」。
「週に3回。夕方6時には、僕がここにいると思ってもらってかまわない。もし僕がいなくても“中嶋さんが、いつも食べているのと同じメニューを下さい”と言ってみて。本当に美味しいんだから!」とは大会史上初のインターネット中継で、ついアピールしてしまうほど惚れ込んでいる。
先々週は、持病の扁桃腺が腫れて高熱が下がらず救急車で運ばれた。
さらに先週は、病み上がりで出場したシニアツアーの「コマツオープン」で、幻覚も見た。
「グリーンのラインを読んでから、立ち上がって構えようとしたら立ちくらみがした。そのときに、木の上に妖精が止まっているのを見たんだ」という弁を聞く限り、まだ本調子とはいえなさそう(?)だが、今週は大会の40周年をお祝いしたくて、今季6試合目のレギュラーツアーへの出場を決めた。
過去4度の歴代覇者が、やる気満々。
「この闘志を優勝ととらえてもらってもいいし、上位入賞ととらえてもらっても、予選通過ととらえてもらっても構いません!」。
57歳がファンのお気に召すままに、40回目の記念大会を盛り上げる。