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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2012
ハン・リーが62をマーク
「・・・でも私、英語がダメで」。
だから余計に、話しかけるときは笑顔になる。
「大したことは、言ってないんですけど。ハンさんが打ち急いでるときは、速いよ、と。力が入っていたらイージーね、とか」。
原田さんにニコニコと言われたら、リーも自然と笑顔になる。
楽しい二人三脚も、特にこの日は胸躍る18ホールだった。
6番で、4番アイアンを握った236ヤードをピンの左3メートルに乗せて、イーグルを奪ったが、本人も「びっくりした!」と、目を剥いたのが、このあと。
7番のパー4で、90ヤードの第2打が、なんとカップイン!!
片山晋呉のアドバイスが、さっそく効いた。
前日初日のホールアウト後に、「ウェッジでスピンをかけるのは、どう打てばいい?」と、質問をぶつけたばかりだった。
「サンドウェッジで、シンゴさんに言われたとおりに打ったら入っちゃった!」と言って、あまりの嬉しさに大声で高笑い。
「だって、連続イーグルなんて、初めてだもの!」。
今年は、ツアーでも5月のとおとうみ浜松オープンで、初日に塚田好宣が達成して以来の快挙も、記録の残る85年以降でいうなら、大会としてはまだ例を見ない記録に、一気に弾みがついた。
62をマークして、単独2位に浮上した。
原田さんは先週のカシオワールドオープンで、ルーキーの浅地洋佑を逆転の初シード入りに導いた凄腕だ。浅地も言っていた。「真由美さんは、どんなときもペースが変わらず、何より笑顔で支えてくれるのがいい」。
リーはそんな原田さんの評判もリサーチ済みで、「ぜひ最終戦のキャディに」と、白羽の矢を立てた。韓国系アメリカ人は、原田さんとコンビを組んだことがある韓国選手の誰もが彼女は素晴らしいキャディだ」と、褒めていたことを覚えていたのだ。
最高の相棒を得て、あとは攻めるのみ。
「藤田さんは凄くタフな選手だけれど、僕もベストを尽くす」。今年10月のマイナビABCで、5打差の大逆転によるツアー初Vを成し遂げたのがリーだ。