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ダイヤモンドカップゴルフ 2013
小平智(こだいらさとし)が首位タイ浮上【インタビュー動画】
目標を、ずいぶん低く見積もっていただけに、予選通過どころか首位タイ浮上に「大満足。今日は100点満点のゴルフができた」と、日焼けした頬も緩んだ。
日大の先輩たちに、口々に言われたのは昨年。練習ラウンドをするたびに忠告された。「お前はもっと、パットの練習をしろ」。特に、横尾要には「お前のショットがあれば、俺はもう何勝もしてるわ」と、はっきりと言われた。
つまり「それくらいに僕のパットがひどいということ」。自覚はあっても、なかなか足は、パッティンググリーンには向かわない。なにせ本人も自認するほど「短気な性格」。ショットの練習なら、何時間でも続けられるのだ。
「だって、いろんなクラブを使って打つのは楽しいじゃないですか」。それにくらべてパッティングは単調な動きで、確かに地道な作業ではある。「同じことばっかり繰り返していると、イライラしてくるんスよ」と、苦笑いで顔をしかめた。
でも、初シードや初優勝を目指すというのなら、「同じことばっかり繰り返すのは好きじゃない」などと、いつまでも子どもみたいに言ってはおれない。「ガキみたいで恥ずかしいんですけど。みんなにやれ、やれって、言われてやっと・・・」。重い腰を上げた。
練習法も、ボールを円形状において全部入るまで繰り返したり、アプローチを取り混ぜたパットコンテスト形式を取り入れてみたりと、自分を飽きさせないように、なんとか工夫を凝らして「以前はショットとパットで9対1が、今は6対4の割合まで練習量が増えた」という。
この日の2日目も、もともと得意のショットには何の遜色もなく、10番のパー5では245ヤードから17度のユーティリティを握った2打目を5メートルにつけて、イーグルを奪うなど、「今日はそういうのがいくつか入ってくれたので」。
16番では1.5メートルや、17番では3メートルのパーパットも苦もなく拾って「練習の成果だと思います」。
後半のインコースは海沿いを這うように横たわる。上がりの難しい3ホールも手堅くパーでまとめるなど、持久力もついてきた。「トレーニングを始めたことで、いつもなら崩れるようなところでも、耐えられた」。先の日本プロでは優勝争いの末に、自己ベストの5位につけたことも、大きな自信だ。「あの最終日は得るものがとても多かったので」。磨いた技に、貴重な経験も重なって、着々と地力をつけ始めた23歳だ。