Tournament article
マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2013
池田勇太は単独首位を守っても・・・
「俺には、あんなに強く打てない」と、1㍍のバーディパットを撫でるように打つのでやっと。
「つらい・・・つらいよね」。パットに不振を抱えている身としては、ここABCゴルフ倶楽部の高速グリーンは、ことのほか堪える。
「まったく、自分が信じられない」と、どんなに好スコアを出しても、悪いイメージばかりが脳裏をよぎる。
たとえば前半の6番、7番。「あれが、今の俺だから」。いずれも3パットを打った。6番は、右の手前から長い20㍍のバーディトライだったとはいえ、カップを1.5㍍行きすぎた。7番はダブルボギーだ。
7㍍の下りフックは、3㍍もオーバーさせて「どれもこれも自信ない」と、肩を落とした。
「パットは全部、OKにつけたい。お先に上がれるところに、全部つきたい」。でも、それが出来ればこんなにも苦労はしない。
頼みの綱は、専属キャディの福田央さん。「今の俺は、全部あいつの言いなりよ」と苦笑い。ボスのあまりの自信のなさを察した福田さんは「段の下からのパットも、平らでいいよ、だって!」。
「どう考えても平らに見えん!」と、訴えても「もういいから。平らのつもりで打って」と強要されて、「俺って、そんなに信用ないのか?!」。
今はそれほどに、深刻な状況ということらしい。それでも、なおこの位置で決勝ラウンドを迎えることには「楽しい・・・? というよりはつらい」とぽつりと、「いつ入らなくなるかと思いながらやっている」。選手会長が、薄氷の優勝争いに挑む。