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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2013
恒例のジュニア育成プロジェクト、今年はいよいよスナッグゴルフ育ちの“第4世代”が登場!【インタビュー動画】
大貫渉太朗さん、18歳。
第3回(2005年)の全国大会の出場者である。当時は、地元・茨城県の笠間市立友部第二小学校の4年生であった。父親の眞一さんの影響を受けて、物心ついたときから、ゴルフクラブがおもちゃ代わりだった。
本人の記憶の中では、どうにか格好がつきだしたのは「5歳くらいだったかな」。6歳で初ラウンド。「多分、185くらいは打ったと思います」。スナッグゴルフは、当時導入されたばかりの小学校で、大貫さんの経歴を知った先生に、入部を強く勧められたからだそうだ。
そのときの経験は、確かに今に生きているはずだが、大貫さんの思い出の中のスナッグゴルフは技術うんぬんとか、そんな込み入った内容よりも、ただただ「友達と楽しくゴルフで遊んだなあ」という一言に尽きるという。
理屈抜きで、ゴルフが心から大好きになった。その大きなきっかけを作ってくれたのが、スナッグゴルフだった。「そのときは、プロになろうなんて、考えてもみませんでした」と、大貫さんは振り返る。
ゴルフトーナメントの創世記からその歴史をたどるとプロゴルファーは、いまは大きく4つの世代に分けられるだろう。
まず、生活のためにゴルフ場で働きながらゴルフを学んだ第1世代。亡き杉原輝雄氏に代表されるような、無骨な職人たちがトーナメントの始まりを支えた。
さらに第2世代はゴルフ場の研修生を経て、プロになった選手たちだ。今年の全米プロシニアで、日本人としてメジャー初タイトルを飾った井戸木鴻樹がその良い例だろう。
次に続くのが丸山茂樹や片山、宮本、横尾の三羽がらすに象徴されるような“第3世代”。大学ゴルフ部出身の“エリート”たちは、バブル期の象徴ともいえる存在がトーナメントの過渡期に躍動した。
そして、まさに大貫さんに象徴されるのが“第4世代”。小学時代に出会ったスナッグゴルフをきっかけに、まずはゴルフの楽しさを知ってから、競技の世界に入ってくる選手たちが、これからもっと増えていくだろう。
大貫さんが勝負の世界に魅せられるようになったのは、名門・水城高校のゴルフ部に入ってからという。毎年、地元で開かれる日本ゴルフツアー選手権の週は、本当に楽しみだった。高校のOBたちがその足で、試合の合間に母校を訪れ、現役生たちの前で自分たちの経験談を語って聞かせてくれた。
「横田さんや片山さん、宮本さんが、壁にぶち当たったときに自分たちはどうやって乗り越えてきたかとか。そんなお話は、今も心に残っていて」。大貫さんがプロゴルファーへの思いを強くしたきっかけのひとつでもある。
憧れのプロの舞台。大貫さんが、このたびツアー初出場のチャンスを得たのは、主催の朝日放送が8年前から推し進める恒例のジュニア育成プロジェクトの一環である。高知県の明徳義塾高校にいた松山がその恩恵を受けて、2008年にツアー初出場を果たしたのもこの大会だった。
大貫さんは今年9月に行われた日本ジュニアゴルフ協会主催の「サマーゴルフジュニアクラシック」で優勝を飾って今回の出場権を得た。スナッグゴルフの全国大会出身者としては、初の快挙である。
来季はいよいよツアーの出場優先順位を決めるクォリファイングトーナメント(QT)の受験を控える大貫さんは「初めてのトーナメントで、自分がどれだけやれるか。まずは予選通過を目標に頑張ってみたい」と、初々しい。
「僕もそうだったように、スナッグゴルフで頑張っている子たちも今は、スコアとか、結果がどうとかよりもまずはゴルフの楽しさを存分に味わって欲しい」と“後輩たち”へのエールも胸に、いざ晴れ舞台に挑む。