この日は「３日間のうちで、ショットが一番悪かった」と苦しんできた分だけ、最後はとっておきのフレーズで、満面の笑みがこぼれ出た。「あれは、ハンパないパットね！」。18番は、奥から７メートルのバーディトライをねじ込んだ。ルークとの差を２つにとどめた。「これは大きい。ハンパない！」。

いつも、インタビューの最後に「結果は神様が決めること」と結ぶ。いつも真摯なプレースタイルを、確かに神様は見ていてくれた。「今日はショットが悪かった分、ラッキーに助けられた。８番は木に当たってフェアウェイに出て来てくれた」と、運を活かして７番からの連続バーディも奪った。

最終日最終組で回ることになったルークは「テレビだけの人」。つまり、テレビでしか見たことのなかったビッグネームとの直接対決だが、気負いはない。
初日、２日目は招待外国人選手のビリー・ホーシェルとラウンドしたが、「今の自分とそれほど大きな差はないと感じた」と、まだ大逆転の賞金王の可能性も残す絶好調男は、「誰と回っても、自分が良いプレーをすれば関係ない」と言い切る自信がある。

「あとは、神様に選んでもらうだけ。選んでもらえるといいけれど」と、祈る思いで「そのためにも頑張って、自分のプレーをするよ」と、気合いを入れた。

• 金 亨成