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日本ゴルフツアー選手権 Shishido Hills 2013
韓国の朴銀信(パクウンシン)が単独首位に【インタビュー動画】
絶好調の2日目だった。唯一のピンチも、あってないようなものだった。8番はティショットを左に曲げた。深いラフから、「アップヒル」のセカンドショットは、ピンの位置すら見えない場所から、なんとかグリーンに乗せたが13メートルものバーディトライ。
しかしここでの読みは完璧だった。2段グリーンの上にあるピンは「スライスして最後にややフック」。練習ラウンドで、コースメモに書き込んでおいたとおりのラインを描いてカップに沈んで、ピンチも一転バーディに。
早朝からの快進撃。この日は6時39分のスタートも、「僕は朝が凄く弱くて」との泣き言もうそのよう。4時きっかりに目を開けて、熱いシャワーで眠気をさまして、コースで入念なストレッチ。「昨日は9時半からぐっすり眠れたし、今日は珍しく朝からよく体が動いた」と、早々に64で上がってきた。
昨年はルーキーイヤーに初シード入りを果たしたものの、2年目の今年は開幕からいまひとつ、パッとしなかった。先のダイヤモンドカップでは今季3度目の予選落ちを喫して先週まで2週間のオープンウィークは、尊敬する先輩に相談を持ちかけてみた。
公私ともに、つきあいの深い金庚泰 (キムキョンテ)。「フライドチキンとコーラを挟んで、夜通し語り明かした」という。
もともと、自分のゴルフやライフスタイルを変えたがらない。自分でも、保守的なところがあると自覚している朴だが、それではいつまでたっても、新たな発見や成長がないのではないか、と金は言った。
常に結果を出して行きたいと思ってはいても、変化を恐れていたらそこからは何も生まれないし、一歩も前に踏み出せない。
「そんなふうにキョンテさんに言われてスイングも、今までとは変えてみよう、と」。それが今週、さっそく何か形になったというわけではないが、それでも何か2週前までの朴との違いがあるとすれば、「自分も変わろうと勇気を出したこと。それが大きかったのだと思います」と、新たな境地で迎えた今大会だ。
「何かを変えることが嫌いな性格」とはいいながら、今季は思い切ってクラブ契約メーカーも変えたし、そのおかげで飛躍的に飛距離も伸びた。15番は615ヤードのパー5で、ティショットが310ヤード超を記録するなど、自信を持って優勝争いに挑む。「今日もよく食べて、よく寝て、まずはコンディションを維持して、コースではマネジメントに徹する」。そしていっそう飛躍の週末にする。