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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2013

選手たちがミスターに贈った黄金のアイアン【動画UP】

選手会長が一瞬、目を疑った。いま手渡したばかりのクラブでミスターが、確かにいま、素振りをした。「しかも2回も!」。さすがの池田勇太も驚いた。「まさかあの場で振ってくれるとは!!」。選びに選んだ甲斐はあった。

5月5日に、東京ドームで行われた国民栄誉賞の受賞式で、ミスターに金製のバットが贈られたことは、周知の事実だ。いつも、ゴルフ界にも多大な貢献をいただいているミスターに、ジャパンゴルフツアー選手会からも何か、お祝いの品を贈りたいと思った。

「金のバットじゃなくて、何かそれに変わるもの」。
キャディバッグという案もあったがそれでは、どこか一社のメーカー色がどうしても出てしまう。さまざまなメーカーや企業と契約を結ぶ選手たちが集まる「選手会」という組織からの贈りものとしては、それはやっぱりまずいということで、ではドライバーはとなったときに、「でも軽くするのが無理だった」。

ミスターのお体のことを考えて、なるべく総量の軽いものをとなると、金製のドライバーでは確かに限界があった。でもその点、アイアンならシャフトもグリップも、極限まで重量を減らせる。
シャフトには、永久欠番の背番号にちなんで「S.NAGASHIMA 333」と刻印をした。ヘッドのソールにも「S.NAGASHIMA」。そしてバックフェースには「国民栄誉賞」と刻んだ。
最終日の表彰式に合わせて贈呈式を行う段取りをつけるのにも、池田にはひと苦労だったが、それもすべて吹き飛んだ。
ビュンビュンと風を切り、アイアンを振り回すミスターの喜びようには、そばで見守る里見治・大会会長も、少し涙ぐんでいるように見えて、そんな様子にも若き選手会長は報われた思いだ。

ミスターを目の前にして選手を代表して改めて、国民栄誉賞受賞のお祝いと日頃の感謝の気持ちを伝えるスピーチの緊張したこと!
この日のミスターの笑顔は、きっとどの選手も一生忘れない。


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