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Indonesia PGA Championship 2013
池田勇太は「残念な上がり方」
本人は一度も口にはしないが、オフの調整不足は否めない。
インドネシアでの、今季初勝利はまさに川に流れた。5番でも、7番でもクリークに入れて、失速した。
今年、史上最年少の会長に就任するなり、本業もままならないほど、多忙な日々を過ごしている。
前回のタイランドオープンでは予選落ちを喫して、いったん帰国。
その2日後に、顔の右半分をひどく腫らして寝込んだ。
「疲れがピークになると、よくなるんだ」と、こともなげに言って池田は自分でゲラゲラ笑った。
「こ〜んなになっちゃってさ」と、おもしろおかしく聞かせてくれるのだが、あまりの奔走ぶりに、身体を気遣う周囲は一緒になって笑えない。
しかし、本人はそんな状況も笑い飛ばして「俺って、いつも勢いでやっちゃうからさ」と、今週もインドネシアに入るなり、再び営業活動に走り回った。
そして、本戦に入れば今度はきっちりと優勝争いに加わってつとめを果たした。
選手会長と、プロゴルファー。今年は立派に両立させると決めている。
それだけに、ここでの優勝は自分に課した厳しいノルマも、後半もずるずると順位を落として、せめて見せ場は17番のチップインイーグルだ。
2打目はわずかにグリーンに届かなかったが、18ヤードのアプローチはサンドウェッジで、直接カップに放り込んだ。続いて18番も、と欲張ったが平凡なパーに終わって、悔しがった。
今週は、金曜日の祝日を挟んで当地の3連休で、連日のようについて歩いて応援してくださった地元企業の駐在員のみなさん。
「せっかく良い位置からスタートしたのに、悔しい思いが残る終わり方になってしまった」と、一緒に美酒を味わえなかったことが、心残りだ。
タイでも、インドネシアでも、手土産を持たずに帰国しなければならない自分が歯がゆい。
選手会長の「ジャパンゴルフツアーアジアシリーズ」が終わった。
悔いを残して日本に帰ったら、また多忙な毎日が待っている。
ジャパンゴルフツアーは4月の開幕戦「東建ホームメイトカップ」の直前には、名古屋でのファンイベントでも、選手会長として陣頭指揮を取る。
今年の池田は序盤から、二足のわらじで走り続ける。