Tournament article
マイナビABCチャンピオンシップ 2014
池田勇太は「仲間の優勝が、一番嬉しい」
池田が、これまで他の誰かのために、18番グリーンに駆けつけたことはおそらくなかった。いつになく優しい笑顔で、呼びかけた。「龍、・・・龍!」と優しい声で、龍一の大きな体を胸に抱いた。
特にこの1年間は、苦しむ姿をずっと見てきた。それだけに、「いや、本当に嬉しいですね」。
原因は、もちろんショットの不振が一番だが、それにもまして、「龍は気持ちが優しいから」。もろい部分があると知っているから、その小田のツアー初優勝が、日本一のメジャータイトルであったことも、「相当のプレッシャーになったんだと思う」と、この5年間の心境を気遣った。
「今までよく我慢した」と“弟子”を称えた。今年は5年シードの最終年に当たることにも触れて「危機感が、龍を奮い立たせたんだと思う」。
逆境をはねのけた小田に「これで、また龍は強くなれる」と太鼓判を押した池田。「この優勝で報われたね」と9つ下の“師匠”はニコニコと、「仲間が勝つっていうのが一番嬉しいね」と昨年覇者は今年も最後にえびす顔だった。