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ダンロップフェニックス 2014
こちらは大ベテランのホストプロ! 中嶋常幸が4位タイに
後半の7番は235ヤードの2打目でスプーンを握り、右奥から7メートルのイーグルトライ。これをねじ込むと、8番から立て続けに6メートルのバーディを沈めて高笑いだ。
「俺を誰だと思ってる!」。
今大会は、1985年のチャンピオン。当時、全盛期のセベを下して、大会初の日本人チャンピオンの座についたトミー・ナカジマ。
昨年は7月に手術をした左膝の半月板に、爆弾を抱えながらも輝きは、あの頃のまま。「今日はショットが曲がらなかった」。
そして好調のパットは「心の中で、歌いながら打つんだ」。曲は「世界でひとつだけの花」。サビの部分でストローク。
「黙って打つと、指揮者のいないオーケストラみたい。リズムが出ないんだ」。
歌詞もいい。「“ナンバーワン”も“オンリーワン”も」。ワンパットを彷彿とさせて「心のモヤモヤも忘れて打てる」。
それともうひとつは基本中の基本で「ボールをよく見て打つこと。心配だとね、ついカップを見ちゃって、歌を忘れたカナリアみたい。だから歌を思い出して、ボールをよく見ろ、と」。
ここ4週は、シニア2戦とレギュラー2戦の4連戦目。足の状態もあって「出来るかどうか不安だった」と、この日も朝5時に起きて入念なストレッチ。「トレーニングも前後1時間きっちりと」。ラウンド後のケアも万全に、思い出のコースで好スタートを切った。
「当時はこの大会に勝つことがトッププロたちの目標だった」と遠い目をして「今は夢です。夢がないと、生きていけない」。昨年はこの大会で初日6位も「失速した悔しさが、俺の原動力」。結局、53位タイに終わった昨年のリベンジに心を燃やす大ベテランのホストプロだ。