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日本オープンゴルフ選手権競技 2015
アダム、再び
都内でスポンサーへの挨拶を済ませると、この日13日の火曜日は会場の兵庫・六甲国際ゴルフ倶楽部で、プロアマトーナメントに参加した。
その表彰式後には慌ただしいスケジュールもいとわずに、日本の将来有望なジュニア約30人を集めて行われた「フューチャー ゴルファーズ セミナー」はその副タイトルもずばり、“アダム・スコットプレゼンツ”。
自らが提案して開催の運びとなったジュニアイベントで、次世代のゴルファーたちに向けて熱いメッセージを贈った。ナショナルチームに名前を連ねる日本のトップアマに自らの体験談や、ゴルフへの思い、プロゴルファーとして生きる心構えをあますところなく、伝授した。
先週から、トレードマークの長尺パターを手放した。来年から、パットの際にクラブの一部を体に固定して打つ「アンカーリング」がいよいよ禁止されることもあり、今年の8月から練習を開始したという35インチのパター。
「先週は最初の2日間こそしっくり来なかったけど、最終日は良いフィーリングでプレーが出来た。今日も感触は良かった」と台風の影響を受けて、来日が遅れてほとんどぶっつけ本番で迎えた昨年大会を振り返りつつ、「今年は間違いなく前回よりも、準備が整った状態で、初日を迎えられる」。
昨年は新婚。そして今年は父親となって再び挑む日本のナショナルオープンだ。「娘が出来て少し丸くはなったかな。今年は、家族を連れて来られなかったのは残念だけど、神戸牛は頂きました」と、大の親日家は単身の来日でも、さっそく堪能している。
当地の開幕戦と日程が重なって、共に米ツアーで戦う松山英樹や石川遼がこの場にいないことをちょっぴり残念がって、「来年は僕が、彼らを連れてくるよ」と、おどけて端正な笑顔を見せた。
リベンジの今年。鍵となるのは深いラフに対してフェアウェイキープと、200ヤードを超える長いパー3の攻略を、まず挙げたアダム。昨年は、大勢のギャラリーを引き連れながらも、不本意な結果に終わった。「昨年は、日本のギャラリーの皆さんの前でプレーが出来て、最高の経験が出来ましたが、今年は結果が出せればなお良いですね」。今年こそ、ファンの期待に応えてみせる。