Tournament article
ダンロップ・スリクソン福島オープン 2015
「福島のギャラリーは凄く熱い!!」と星野英正
近頃不振にあえぐ本人にとっても、故郷の東北で嬉しい好発進。「半分、諦めていたけど最後にリズムよく上がれて良かった」。
今年も福島で、にぎやかに開けた大会初日は「星野!っていうお客さんの声も、凄くたくさん聞こえて。こんなに声を出してくれる大会はほかにない。福島の人は凄く熱くて。やってる僕らも盛り上がるし、いいプレーもどんどん出てくる」。
16番からの3連続バーディで、首位タイにつけた。
この日は、ボギーなしのゴルフにピンチらしいピンチもなかったといい、「なんだか不思議」と、しきりに首をひねりつつ、「こんなに良いスコア。最近、出したことないから、もう、大満足どころじゃないよ!」と、ギャラリーがぐるりと取り囲む18番でも、大歓声に笑顔で応えた。
ますますレベルが増していく昨今のツアーは「攻めて、チャンスにつけて、バーディを取っていかないと、上にはいけない」。分かっていても、ゴルフの不調と体調不良が重なり、「フェアウェイに打って、確実に乗せて、パーを獲る。最近はそんなゴルフしか出来なくて。ケガをしたくないから」。
自嘲気味な言葉の裏にひそむ、アマタイトル52冠のプライド。
「悪ければ、悪いなりのまとめ方が出来るのは、長年のキャリア」と、胸を張る。
年中アレルギー症状を抱えて、今はクーラーから出るカビやほこりに反応し、また部屋と外との気温差による
「寒暖差アレルギー」にも苦しむ。一度症状が出ると、熱が出たり、顔が腫れたり。予防のために、夜はどんな熱帯夜もクーラーはつけないし、先週1週間の空き週も、住まいのある関西はかなりの猛暑だったが「家でスイッチを入れたのは2回だけ。あとは窓を開けて過ごした」という。
持病のために、ゴルフにもつい集中力を欠きがちだから、たとえ大会主催の契約プロでも「せかせかしない」。覚えがある。あれはもう、12年前。「マンダムルシードよみうりオープン」で、若きホストプロとして注目を集めたころ。気合いを入れてやって、がつがつしたり、ドキドキしたり。
「経験してる。スポンサーの試合は誰でもそうだと思うけど、気持ちは重いというような」。
気負いすぎて、かえって思うような結果が出せないというような・・・「だからそういうのはもうやめて、のんびり、ゆっくり。今年のテーマ」。40歳も間近に控えれば、ホスト試合への心構えも変化する。「もちろん、今週も非常に大事な試合だけれど。かといって気を張らず、マイペースでいって最終的に結果が出れば、それが恩返しになる」。
ここ福島には因縁もある。
6連覇がかかっていた98年の東北アマ。小名浜カントリークラブで行われた年。「そこだけ唯一、福島で開催された年に負けたんです」。翌年99年にはまた勝って合わせて堂々6勝も、この地に残したままの悔しさ。
「・・・もう、それもずいぶん前の話だけどね」。ここで改めて、17年越しのリベンジというのもまた、絵になる話だ。