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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2015

中嶋常幸は「クラシックカーらしい良さを見せたい」

大ベテランのホストプロの胸も鳴る。中嶋が、「非常に楽しみ」。この日21日火曜日の正午に発表された「ダンロップ・スリクソン福島オープン」の組み合わせ。初日は12時10分に、10番ティから出るのは、いずれも主催のダンロップスポーツの看板選手だ。

中嶋は、初優勝の期待がかかる山下和宏と、そして松山英樹と回ることになった。直接対決は、最終日最終組で回った2013年のダイヤモンドカップ以来である。
当時は、37歳差のV争いが話題になった。

その再現を望む声には「・・・何年前の話なのよ!」と、思わず悲鳴を上げたトミー。そう言うほど昔のことでもないのだが、かたや今年還暦の大御所と、そのあと驚異の成長をとげて、今も果てしのない進化の途上にある怪物が過ごしてきたこの2年間という月日には、確かに相当な時間的隔たりを、もたらしているのかもしれない。

「今日だってね、途中ヤバかったもの。くらくらっとして。いつも日傘をささない俺が、だよ。日傘をさしてプレーした。いや、暑かった」と、炎天下の練習ラウンドにはさすがの中嶋も、へばり気味だ。

もともと持っている排気量は、松山とさほど変わらなくても「俺のエンジンは、もう錆びてるからな」と、苦笑い。松山がうなりをあげて、今まさにエンジン全開で疾走中のスーパーカーなら「俺は、クラシックカーらしい良さを見せないと、いけないね」。
2年前のように、松山とがっぷり四つとはいかなくても、「60歳になっても一生懸命にやっている姿を松山にも感じてもらればそれでいい」と、うだる暑さにも体を張って臨むつもり。

逆に松山は、2年前とは比べものにならないほどの成長を見せてくれるはず。「メジャーにも勝てそうになってきて、あのころとは違う人間。別人。それを間近で見られるのは非常に楽しみ」。
先週の全英オープンは、最終ラウンドが月曜日に持ち越されて、今週は開幕前日の水曜日にやっと帰国する。時差ぼけのピークに加えて、「先週のイギリスから今週は、いきなりこの“ジャパニーズサマー”の中で、最高のパフォーマンスをしようと思って帰ってくるんだろうけれど。そこは、ちょっと心配だけど。それも含めて、彼のプレーを楽しみに見てみたい」。
ツアー通算48勝の大御所も、怪物の帰還を今かと待っている。

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