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ひまわりドラゴンCUP 2015
全ホールでバーディを狙った!」超攻撃的ゴルフで杦本が掴んだ勝利
「18ホールしかなくて、難しい試合になることは分かっていました。でも、とにかくバーディが必要になると思っていたので、今日はスタートから全ホールでバーディを狙っていました」
その言葉通り、杦本晃一はスタートからアクセル全開で攻め続けた。出だしこそバーディを奪えない歯がゆい展開となるが、5番でこの日最初のバーディを奪うと、7番、8番と連続バーディ。前半だけで3ストロークスコアを伸ばし後半戦を迎える。
後半も攻めの姿勢を崩さずピンだけを目指すと、10番で後半早々のバーディを奪う。その後、11番で初ボギーを叩くと、12番でバーディ。同じく13番をボギーとすると、14番はバーディ。獲っては獲られの展開が続くが、杦本はまったく怯まない。
「ボギーは全力で攻めた結果なので、あまり気にしませんでした。むしろボギーのすぐ後にバーディを奪えたことは、攻めのゴルフを実践できたからこそだと思います」
そして、終盤戦に突入すると残り3ホールで、この日最大のハイライトを迎える。
「14番でトップが5アンダーなのは知っていました」と、15番を前に杦本より一足先にホールアウトした福永安伸、藤島晴雄らが5アンダーでトップに立っている状況を把握する。この時の杦本のスコアは4アンダーだった。15番をパーとし迎えた16番パー5、残り236ヤードの第2打は迷うことなくピンを狙った。
「『ここはイーグルしかない』と思っていました。それ以上に、16番は2打目を直接いれるつもりでいました。アルバトロスを狙うことなんてありませんが、それくらいのことは必要だと思ったので」
5番ウッドを振り抜いた第2打はピンまで10ヤード地点の左のカラーに止まった。アプローチをきっちり寄せてバーディを奪う。これで5アンダー。いよいよトップを捉えた。
続く17番パー4。ティショットを左のラフに入れると、ピンまでは172ヤード。ラフは深く、フライヤーが怖い場面。しかし、杦本は揺るがない。
「真っ直ぐピンしか見ていませんでした」と8番アイアンで放たれたショットは、ピン下5メートルに付けて連続バーディ。ついに単独トップに躍り出る。
最終18番は551ヤードのパー5。2オンに成功すれば、さらにリードを広げるチャンス。しかし、ティショットを右のラフに入れると、第2打はピンまで残り261ヤード。2オンは不可能と判断した杦本は、レイアップを選択。77ヤードの第3打に勝負をかける。
ところが、「アドレナリンが出てたかもしれない」という第3打は、ピンを大きくオーバー。さらに、8メートルの下りのバーディパットは2メートルもカップをオーバーした。このパーパットを外してしまうと、プレーオフが濃厚となる場面。
「18番のボードでトップが5のままだったので、パーパットは死ぬ気で入れました」
ほぼストレートで上りのパーパットを執念でねじ込み、単独トップでホールアウト。その後、後続がスコアを伸ばせず、杦本の3年ぶりの優勝が決まった。
「『攻めよう!』と思って攻めのゴルフができたのは大きいですね」
まさに、“超攻撃的”。144人が18ホールで1つのイスを争うサバイバルゲームで杦本の真価は発揮された。
この優勝で、来週開催されるレギュラツアーの「ANAオープン」の出場資格を得たが、杦本は、同週に開催されるチャレンジトーナメント「seven dreamers challenge in Yonehara GC」への出場を選択した。
「レギュラツアーには出たいですけど、今はチャレンジの残り試合で結果を出す方を優先することにしました。残り試合は全試合優勝する気持ちでプレーします」
杦本のチャレンジ賞金ランキングは13位。上位で今シーズンを終えるためにも、ここからが本当の闘いとなる。
チャレンジトーナメントも残り4戦。杦本は攻めの姿勢を、最後の最後まで崩さないだろう。