「日本オープン」でツアー初優勝を飾り、「夢なんじゃないか・・・」と、優勝スピーチで喜びを語る直前。
「表彰式前に推薦のお話をいただきまして。今週は次に備えて自宅で練習を、と思っていました。出れると思ってなかったのでほんとすごい嬉しくて・・・」。
岩﨑亜久竜(いわさき・あぐり)の“ジャパニーズドリーム”にはまだ続きがあった。
黒宮コーチのお膳立てで、昨年火曜日に実現した松山との練習ラウンド時は初対面。
「試合より緊張して。緊張しすぎて、体が動かず、フェアウェイからチョロを打ちました」。
でも今年は、「松山さんから一緒に回ろうと、誘ってもらえた」と、もともと松山が約束していたアダム・スコットも交えて3人でプレー。
歴代のマスターズ覇者(スコット2013年、松山2021年)に挟まれ、「球の高さとか、練習の仕方とか。次元が違った」と、改めてPGAツアーの凄さを実感しながら「去年よりは落ち着いて回れた」と、先週に引き続き好ショットを披露し、練習ラウンドから大勢のギャラリーに囲まれ、拍手喝采されていた。
ラウンド中の会話も(一応)弾んだ。
先週の「日本オープン」は予選敗退していたスコットに、「あのラフでどうやって回ったんだ。何が良かったんだ?」と勝因を聞かれて「・・・・・・パター!!」。
昨年の賞金3位の資格で転戦した欧州・DPワールドツアーで、英語はかなり耳慣れたとはいえ、いざ単語が分からない。
「てんぱっちゃって・・・。それしか言えませんでした」と頭を掻いたが、43歳との初ラウンドで、「あの年齢であの体の動きは凄い」と、本戦前に目に焼き付けられた。
「いつか、松山さんと一緒にアメリカで」との目標をますます温める夢のひととき。
松山とは昨年大会での初対面後に幾度か一緒に練習し、オフにはジムで共に体を鍛え、以前よりは緊張せず話せるようになったそうだが、学ぶべきことはまだ無数にある。
先週Vキャディの湯本さんは、今週の女子ツアーで担ぐ予定が入っており、岩﨑のきゅうきょの出場に、「そっちに行きたい」と、残念がっていたそうだ。
今週は、パッティングコーチの丸山颯太さんとの再タッグ。
出場78人中、67位に終わった昨年は、「アウトコースからスタートできたのも1回だけ。凄く悔しかったので。今年は優勝を狙える位置で回りたいな、と思います」。
日本開催のPGAツアーで、“2週連続V”も夢じゃない。