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日本オープンゴルフ選手権 2016
H・W・リューが思いがけず単独首位に
難コースで飛距離は捨てようと思った。「ドライバーや、スプーンでティショットを打つときは、アイアンみたいに打とうと思った」。
たとえ距離が残っても、絶対に無理しない。「刻んで、アプローチには自信があるから」。
そのアプローチもあえてピンを狙わず、無難に逆サイドを狙ったり、とにかく安全策に徹して、前半アウトをいったん3アンダーで上がったときに、やっと一息ついた。「急にお腹がすいてきた」。わずかなインターバルでカロリーを補給してキャディと「後半はなんとか3オーバーにとどめて上がって来よう」と話し合った。
松山と石川と、アダム・スコットの直接対決に、狭山ゴルフ・クラブには、早朝から多くのギャラリーが集まり、リューが1番を出た7時過ぎには後ろのスタンドにもたくさんの人がすでに座っていたが、気づかなかった。
「どれくらいお客さんが入っているかも分からない。周りを見る余裕もなかった。それくらい難しいコースで、それくらいに今日は、集中して回った」という。
気がついたら、ボギーなしの4アンダーを出していた。
前半7番がこの日唯一のピンチだった。そこでも3メートルのパーパットを拾い、最後の18番は距離の長い478ヤードのパー4では、13メートルの長い長いバーディトライをねじ込んで、「まさか初日から、こんなに良いスコアで回れるとは思わず」。
4アンダーの単独首位にも浮かれず「明日も慎重にプレーしてきます」。このコースでは、たとえ好スタートでも何が起きるか分からない。