背後に遠く見晴らす富士山のようにそびえ立つ。週末こそ満員の東京よみうりの1番ティのギャラリースタンド。すでに冬の恒例行事を知って、この選手の登場を息をつめて待ち構える人たちがいる。

限られた強者のみが立てる。このシーズン最終戦。10月のマイナビチャンピオンシップで、節目のツアー通算30勝。今年も新たな勝ち星を加えて、19年連続19回目の出場を果たした永久シード選手だ。

「シンゴ〜！！」。
入場して来るなり、声のするほうへ高々と投げ入れた。
毎年、少し時期の早いシンゴサンタからの贈り物。
もう10年以上も、続けてきた。
「せっかく来てくれた人に、喜んでもらいたいから」。
毎年この舞台で、日頃の愛用品をギャラリーにプレゼント出来ることを、本人も楽しみにしている。

この日、3打差首位に立った小平が、そんな片山の生き様に心酔していると聞く。
「智とはよく食事に行くし、いろんな話をする。若手の中では一番、センスある」と、エールを贈った。
今年のリオでは、池田と日本代表もつとめたオリンピアンは、今年最後の1日にも愛するファンへの贈り物を用意して待っている。