Tournament article

長嶋茂雄 INVITATIONALセガサミーカップゴルフトーナメント 2017

焦りは禁物、小田龍一

久しぶりに先生は戻ってきたが、「40歳でしょ。自分でなんとか出来るように」と、自力で立て直しに懸命だ。

今季は、海外初戦から数えて9試合中7試合で予選落ちの小田が、6月の中休みを利用して復調のきっかけをつかんだ。
不振の要因は明確で、ショットもパットも急ぎすぎ。
「早くビールが飲みたいから」とは、酒豪のジョークも「自信がないから、早く終わりたいと思っちゃう」。
プレッシャーがかかる時間を極力減らした時短プレーが、行きすぎた。
「嫁にも焦りすぎなんじゃないか、と言われた」。
毎日ラウンドについて歩いてくれる妻の優子さんにも、夫のせっかちなプレーは目に余るほどだった。

そのせいで、ショットの「突っ込み癖」がまたぶり返すわ、パットは考えがまとまらないうちに、とんちんかんなほうに打ってしまうわ…。
「反省して、時間をかけて、ゆっくり」。

約1ヶ月ほどあった先月のオフに、矯正用の9番アイアンでひたすら打ち込んだ。
この日はグリーン上でも時間をたっぷりかけて、「パットがバカみたいに入った」と、65を出した。
「つかんだものはあるけど、ショットはまだ相変わらず自信がない。スミマセン…」と、本人は恐縮しきりの好発進も、先生は感心しきり。
池田勇太は、9歳下でも小田の先生だが今季はほとんどアメリカに行ったっきりで、教えてもらう機会もなかった。
このたび久々の帰国にも頼らず、弟子の午前中の自力の好発進を追いかけ、午後からなんと6連続バーディの6アンダーと、小田に迫った。

週末、“師匠”とのV争いも夢じゃない。そのためにも「明日も1打を大事に頑張ります」。
2日目以降も、早打ち禁止。
ツアー3勝目のチャンスも焦らず、ゆっくり模索して歩く。

関連記事