ミスターの期待に応えることが出来なかった。池田は最終日もまたスコアを伸ばせず「土日がこんなゴルフでは、優勝は無理ですね」と、自嘲気味に語った。

2年前に他界した祖父は、ゴルフと人生の師である。その直芳さんが、熱心な巨人ファンであり、とりわけミスターに心酔していたと聞いて、ご本人もなおさら池田びいきで「勝ってもらいたい」と、自らのお名前を冠した今大会の初勝利を熱望されていただけに、「僕だって勝ちたかった」と長嶋氏にも、亡き祖父にも優勝を報告できなかったことが、残念だった。

かねてより、ザ・ノースカントリーゴルフクラブのグリーンに苦手意識があり今週は、あえてコースを熟知したハウスキャディさんについてもらった。
北海道はらしからぬ連日の猛暑に、最終日も過酷な条件の中で、体調不良を押してまで支えてくれたその道12年の鳩澤季躍香（はとさわきよか）さんの労にも報いることが出来なかった。
共同作業のライン読みも「読んだところには打てているが結果として入らずでした」と、今季5大会ぶりの日本ツアーもほろ苦い結果となった。

• 池田 勇太