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マイナビABCチャンピオンシップ 2018
小鯛竜也が、連覇しタイ
今年も先月の大会で、シード権を持たない選手の今季最後の出場優先順位の見直しが行われたところだが、「僕もちょうど1年前のこの時期は“フォールシャッフル”に残るのに必死で。勝負というよりシードを獲るため頑張っていたようなところがあった」と懐かしく振り返るほどに、「いま思っても去年の初優勝は、すべて鮮明に思い返せるくらいに1球1球、一瞬一瞬が充実していた。優勝してから自分の人生は、劇的に変わった」。
地元関西の大会で、家族や、スポンサーが見守る前で初勝利を手にした歓喜のあの週から、1年が経った。
去る今月1日には、主催者が開催コースのABCゴルフ俱楽部(兵庫県加東市)で、今年の開催を広く告知する記者会見を行ったのだが、小鯛も含めて参加者は無事、この時を迎えるまで右往左往。
前日の9月30日に台風24号が急接近。「早くコースを出ないと今日の会見にも出られないと思った」。
前週のトップ杯東海クラシックの最終日をイントップで出た小鯛は、正午までに上がって、すぐにマイカーに飛び乗り無事その日のうちに帰宅できたがその後、交通機関は軒並み麻痺。
キューの初Vの瞬間まで見守った報道陣のみなさんは、名古屋に足止めを食ってその日は始発でなんとか会見場となった開催コースにたどり着くなど、大変な思いをしながら集まってくださったのである。
「スミマセン、なんかいつも僕が台風を連れてくるみたいで・・・」。
恐縮しきりで詫びながら、昨年覇者がオヤジギャグ?!
「2勝しタイ。中身の詰まったゴルフしタイ!!」。
昨年覇者の名字にちなんでその日、大会主催の朝日放送さんが用意してくださったのは、静岡県の名物店「丸子峠大鯛焼き屋」さんからわざわざお取り寄せしてくださった“世界一大きなタイ焼き”。
「インスタ映え〜〜〜」と感激しきりで連覇への思いにも、精一杯のシャレを効かせた小鯛である。
毎年、期間中に選手の間で話題になるのはABCの高速グリーンだ。今年も今大会のコースセッティングアドバイザーをつとめる田中秀道も、その日の会見に同席して「世界を見渡してもなかなかない。日本一のグリーンだと思っている」。
キーパーの、細部にまで行き届いたメンテナンスに加えて今年はラフを、例年より深く設定したり、フェアウェイを従来より絞ったりと「ここで勝つことによって、選手たちがさらに自信を持って、大きな夢に向かって行けるようなコースセッティングを目指している」。
毎年ドラマが生まれる最後の18番パー5も、ティから向かって右からせり出す木を少し伐採して頂いたという。
「視界が開けることで、よりアグレッシブに行けたり、逆に罠が見えたり。ただ逃げたり、振り切るだけはなくPGA選手みたいに350ヤードを飛ばしてショートアイアンで、イーグルを獲るような。そんなシーンをお見せできれば」と裏方として、本番への展望を熱く語った田中は、95年のチャンピオン。
ジャンボらを眼下に初優勝を達成して18番の高速グリーンで泣き落ちたシーンは、いまだ熱狂的なファンの間で語り草だ。
今度は次代の若者たちに、新たな感動を紡いで欲しい。
「小鯛選手には今年こそ、4日間やってそういうゴルフを見せて欲しい」と熱望する伝説の歴代覇者の期待に応えて昨年覇者が、再び力を込めた。
小鯛は「今年は最終日最終組で回って18番でイーグル獲って、優勝できるようなプレーをみなさんにお見せしたい」。
あんこがぎっしりの特大タイ焼きにも負けない・・・。今年も中身の詰まったゴルフしタイ!!
小鯛竜也が連覇を狙う。マイナビABCチャンピオンシップは今週25日に開幕です。