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ISPSハンダマッチプレー選手権(3回戦〜決勝) 2018
準々決勝で、今平周吾がスピード決着
2アップで迎えた7番で、今平は第1打を池。手前から打ち直した215ヤードの3打目を3Uで8メートルに乗っけるとこれを沈めて“池ポチャパー”。正岡のボギーで3アップを奪うと、ここから怒濤の6連続ダウンをお見舞いした。
最後も容赦のないチップインバーディで決した12番から、この日もまた迎えのカートで悠然と帰還した。
「周吾は波に乗ってたなあ・・・」と、正岡もただただ脱帽。「周吾に主導権が行き過ぎた」と、ただただため息をつくしかなかった。
まだ今週、18番ホールを一度も見ていない。「そうですね・・・」。高校時代の家族とのラウンドで、勝手知ったるコースでどのカードも優勢ムードだ。
「今、すごく集中できている」。
夏のオフに、改善を決めたスイングの課題。
「左に突っ込むクセがある。右サイドで回転するように、意識してやろう、と」。
練習場でも柏木キャディに、動画で撮影してもらって丁寧にチェック。「コースでも、意識するようになったら、集中できるようになった」と一石二鳥の効果が出ている。
地元埼玉の入間市出身。前夜のおふくろの味は、柏木キャディが差し入れしてくれたニンニク料理でパワーがついたがせっかく車で40分の立地も、珍しくきっぱりと「今週、家族は応援には来ません」。
ロープの外から見慣れた顔が、自分のプレーを見てハラハラする様子には、何年たってもなじめない。
「ミスして“おい”見たいな顔をされると、集中できないので。家族には、試合を見て欲しくない」と、相変わらずつれない周吾。
やぐらの頂上までハシゴはあと2つ。
翌8日の準決勝で、またひとつ大きな山場を迎える。
相対するのは勇太。ツアー通算19勝の元賞金王は「マッチプレーに強い印象があるが強い相手のほうが、僕は集中できる」と、泰然と迎え撃つ。
ここまで未勝利のまま、賞金1位で迎えた。優勝賞金5200万の大一番を前に「勝ちたい。勝ってこれから何勝もできる選手になりたい」。周吾の集中力が加速する。